殺しの烙印

投稿日時 2007-7-21 18:42:00 | トピック: 視点

ホビーを除き、世界で10万台以上売れた家庭用ロボットは、ソニーの「AIBO」シリーズ(約15万体)とiRobot社の「ルンバ」シリーズ(約200万台)だけしかない。

ネットリサーチが先年発表した「家電に関するアンケート結果」。

掃除ロボットについての項目があった。
(どのメーカーのものかは明確になっていないが、現在国内で販売されている掃除ロボットは「ルンバ」シリーズだけなので、対象機種は「ルンバ」と思われる)

N数が24と極端に少ないとはいえ、その結果は、

満足、やや満足をあわせた顧客満足度は25%しかなく、
不満、やや不満な人は29.2%もおり、今後掃除ロボットがほしい人は9.5%のみ。
(ちなみにダイソン社の商品と思われるサイクロン掃除機の満足度は76.6%にのぼり、今後サイクロン掃除機を欲しい人も25%いる)

「ルンバ」は、主に富裕層をターゲットにプロモーションを行っているだけに、顧客満足度の低さはかなり気になる。
購入者の3割が不満をもつ商品というのは、やはりなんらかの対策が必要だろう。

欧米や韓国では、掃除ロボットの売り上げが伸びているにもかかわらず、日本でのこの低評価は一体何故なのか。

段差や家具類の多い日本の住宅事情や部屋の角の埃が取れないなどの機能面、割高感のある価格や製品の質感の低さなど、費用対効果で「効用」が感じられないことがその要因かもしれない。

しかし、留守の時や寝ている間に自動的に部屋を掃除して、いつも快適な状態にしてくれる掃除ロボットは、イノベーションを伴う新しいライフスタイルとして、日本でも必ず定着していくだろうと思われる。

まったく新しいコンセプトの商品には、まずはおおらかに接することも必要だろう。
しかし、世界一厳しい日本のユーザーに「役に立たないロボット」という
殺しの烙印だけは押されませんように。



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