アイディアはシンプルだが、効果的で強力なロボット
投稿日時 2010-11-22 21:49:00 | トピック: 視点
| 先日アメリカで発表された、なんでも掴めて、操作できるロボット。
砂のような粒子が液体に似ている性質から、固体へと変化する「ジャミング転移」現象(※1)を利用して、事前にモノの形状がわからなくても(※2)、細いペンから、水の入ったコップ、やわらかい生卵まで持ち上げることができる。
生卵のようなデリケートなモノを持ち上げる場合、圧力が弱ければ落ちてしまうし、強すぎればつぶしてしまう。このロボットは生卵全体を適切な圧力で掴み、持ち上げる。
人間の生活環境下でロボットを動かすために、日本ではロボットが扱いやすいハンドルなどを開発する「ロボットのためのユニバーサルデザイン」の研究が行われている。 これはロボットの「指」(ハンド)の形状に合わせてモノをデザインするというアプローチで、これはこれで非常に現実的な手法だが、このアメリカのロボットのような、形状がわからないなら、わからないなりになんとか対応させてしまおうという、なんとも力づくな逆転の発想は素晴らしいと思う。
まったく、「アイディアはシンプルだが、効果的で強力」だ。
(※1)粉体は密度が低い場合は流動するが、密度が高くなると流動性を失い、固体のようになる (※2)粒子を詰めた袋がモノに密着すると、粒子間の空気を掃除機で吸い取り、モノの輪郭に沿った形で固定される
参考 WIRED VISION(2010年10月27日)
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