人工物の飽和とロボットテクノロジー
投稿日時 2009-5-15 20:39:00 | トピック: 視点
| 幸福度88位、自殺者年間3万人。国民総悲観国家になってしまった日本に希望ある未来の可能性はあるのかをテーマにしたシンポジウムが開催されました。
特別講演をした前東京大学総長で、三菱総合研究所理事長の小宮山宏氏は、20世紀とは異なる21世紀のパラダイム(ある時代に支配的な物の考え方・認識の枠組み)として、
・知識の爆発 ・有限の地球 ・高齢化する社会 ・人工物の飽和
を挙げ、100年に一度といわれる今回の金融危機も、先進国の高齢化による需要の減退が大きな原因のひとつと独自の見解を述べている。
小宮山氏は以前より環境・エネルギー問題と超高齢化の進展という日本のマイナス要素を社会システム変革のチャンスに変えていくという「世界の課題解決先進国・日本」の役割の重要さを説いてきた。
今世紀半ばには先進国はもちろん中国やインドなどでも人工物の飽和状態、つまり車や土木建築物をはじめとするあらゆるモノが身の回りにあふれ、同時に進展する世界的な超高齢化により、需要の減退が起こると予想している。
そんな未来社会では、工業型製品(ニーズ型)にかわり、知識型製品、つまり商品のコンセプトやデザイン、専門知識、ブランドなど、快適さや癒し、心地よさ、感動、達成感などの人間の欲求を満たすウォンツ型が主流になるといわれている。
シンポジウムでは、今後あらゆる産業が知識型になることを踏まえ、製造業が向かう先として、
・不可能を可能とするような革新的先端技術製品 ・高級ブランド ・機能ではなく情緒面の欲求に応える感性商品 ・自分にとって特別な商品 ・機能回復型商品
を挙げ、特に繊細な感性と先端技術が融合するハイテク感性商品は日本のもっとも強みとなるとしている。
なんだ、それはロボットテクノロジーのことじゃないか。
実際、2050年におけるもっとも大きなインパクトとなる科学技術は、ロボット技術と生命科学になるとしている。
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