MRJもつらいよ
投稿日時 2008-6-20 20:35:00 | トピック: 視点
| 三菱重工の国産初のジェット旅客機・MRJ(三菱リージョナルジェット)が参入する100客席未満のリージョナルジェット市場は、カナダのボンバルディアとブラジルのエンブラエルが市場を独占しており、ロシアや中国のメーカーも国をあげて参入を目論んでいる分野。
MRJの最大のウリは、燃費効率30%UPの高い経済性。 これは新型エンジンと主翼、尾翼に使用した炭素繊維複合材(強さが鉄の10倍で、軽さがアルミの6割〜7割)により実現したもの。
当初は欧米2社、国内2社の受注を見込んでいましたが、結果は全日空1社のみ。 しかも、その取引条件は「値引き+パイロット用意」。 また10機分はオプションのため、実質は15機とのこと。
事業が軌道に乗るには、少なくとも350機の受注が必要のため、前途は相当多難だといえる。
航空会社の機種決定のポイントは、飛行機の性能や価格はもちろんのこと、運行後のメンテナンスやサポート体制の良し悪しが重要な要素となる。
ボンバルディア社では、航空会社からの修理要請や数100万点の部品供給に、技術スタッフが24時間体制で対応している。
MRJもスウェーデンの航空機メーカーがサポートを行うようだが、いずれにしろ機体性能の信頼獲得、サポート体制の充実までには長い時間がかかるだろう。
MRJは10年から15年の赤字は覚悟とのこと。 それは航空機製造が技術の高度化を進める総合技術の固まりであり、それが日本の産業競争力を高めることに繋がるからとしている。 どこかで聞いたフレーズだ。
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