男と女 ?
投稿日時 2007-12-2 20:29:00 | トピック: 視点
| 映画監督の溝口健二は大正十四年(1925)、同棲していた女性からカミソリで背中を斬りつけられたことが新聞沙汰になり、撮影中だった作品を降板させられ、しばらく謹慎する羽目になる。 この傷は一生残り、冗談混じりに「君、こんなことで驚いては駄目ですよ、これでなきゃ女は描けませんよ」と語ったという。
今年2月、NASAの女性宇宙飛行士が同僚の宇宙飛行士を巡って殺人未遂容疑で逮捕された事件。
容疑者はスペースシャトルのミッションスペシャリストとして、地球と国際宇宙ステーションをスペースシャトルで往復した経験を持つ、米海軍大佐(テストパイロット)で3児の母。誰もが賞賛するヒロインが犯した事件だけに、それこそ「全米を揺るがす」スキャンダルになった。
三角関係のもつれから凶行に及んだ犯行自体は容認できないが、多かれ少なかれ似たような恋愛経験は皆あるわけで、「宇宙飛行士も人間だ」と容疑者への同情の声も挙がっていたようだ。
この事件は、ヒトは時には誤ったこともするというとても人間らしい行為なわけだが、NASAにとってはそこが大問題。
特に今回は、三角関係の当事者の男性も現役宇宙飛行士(スペースシャトルのパイロット)ということもあり、NASAでは今後宇宙飛行士の選別に当たって心理学的な性格診断テストを重視するとの方針を明らかにした。
長期にわたり宇宙に滞在する宇宙ステーションや惑星間飛行などで、男女の恋愛のもつれから殺傷沙汰が起きるようなことがあったら、大変だ。
今回の事件は、知力・体力とも秀でた宇宙飛行士でさえ、軌道を逸した恋愛に走ることがある、つまり良い意味でも悪い意味でもヒトは間違いを犯す生き物だ、ということを改めて印象づけた。
極限の宇宙空間において、感情に左右されることなく、正確に任務をこなすロボットの重要性がより増してくるかもしれない。
容疑者がテキサス州からフロリダ州まで(日本で言えば青森―東京―-福岡に相当)の1600kmをNASA特製のオムツをつけてノンストップで車を飛ばしたことは、後で誤報だとわかりましたが、 それに一番反応したのは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のスピンオフ担当者だったかもしれない。 (つづく)
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