2006年に引き続き、「高齢者・障害者の次世代自立支援機器とそのニーズ」について、調査・取材をした。
障害者の自立支援のためのロボットの開発は既に1970年代から始まっており、国もこれまでさまざまな開発プロジェクトを実施して、述べ100億円以上の税金を投入してきた。
残念ながらそのほとんどは「研究のための研究」や「研究者の飯の種」に終わってしまったわけだが、それでも実用化されたロボットは少なからずあり、また自立を支援する機器も数多く商品化されている。
しかし、それにも関わらず障害者施設など現場で使用される機器は非常に限られている。
その原因として、機器が高価、使用者の声を聞いたものではない、実際使えたものではないなど、いろいろな声があるが、いずれにしろ、「研究のための開発」にお金を使うのはもうやめにして、サービスを利用・提供する人材の教育と育成に力点を置く段階にきている。
民主党は今年1月、現行の「障害者自立支援法」を廃止し、2013年8月までに新法をつくることを表明した。
是非この機会に、国、県、市町村それぞれのレベルで既存自立支援ロボット・機器を活用するための人材教育、研修について議論されることを期待したい。
「はやぶさ」が戻ってくる映像をLive(実際は数分遅れ)で見て、「はやぶさ」の最後の光が雲間に明るく輝く姿には素直に感動した。
中継した和歌山大学のユーストリーム番組内には、本当に多くの人の「はやぶさ、おかえり、ありがとう」のコメントが次々とアップされていた。
世界初の小惑星探査にチャレンジし、数々の苦難を乗り越え、国民に勇気と感動を与えた「はやぶさ」の開発と運営チームに、政府は間髪をいれずに国民栄誉賞を贈るべきだろう。
それにしても、このはやぶさの帰還を速報しないテレビ局の感覚の鈍さは、どうしたものだろう。サッカーのワールドカップ開催中ということもあり、はやぶさ帰還の様子はNHKをはじめライブ映像として流す局はなかった。それゆえ、ユーストリームによるLive配信は、新たなメディアとしてのユーストリームを大きく印象づけ、ユーストリームにとってエポックメーキングな配信となったのではないか。
トヨタ自動車は「レクサスLS」4車種について、ハンドルとタイヤの動きが一時的に連動しなくなるとして、国内外の約1万1500台のリコールを届け出た。
先日発売されたスバル「レガシー」にオプション設定された新型「アイサイト」。
2台のステレオカメラで先行車や前方障害物を検知し、時速30km以下では自動でブレーキがかかる第2世代の運転支援システムだ。
開発した富士重工は技術的には「ぶつからないクルマ」を実用化しているが、あくまで「ぶつからないクルマ?」=「運転支援システム」としている。
これは、最終的な責任は機械にあるのではなく、運転者が負うということ。
新型「アイサイト」は大変優れたシステムで多くの車種に搭載してほしいと思うが、機器が故障した場合、すべてのシステムが停止するフェイルセーフ機構になっていても、電子制御の塊となってしまった現代のクルマは、製造者責任のリスクを回避することができないため、運転時の責任を明確にし、機械にはヒューマンエラーを防ぐ助けやシステムとして運転をアシストすることに留めている。
それにしても、注目すべきはその価格設定。約10万円だ。
量産化が進み、より低価格化が実現すれば、今後、パーソナルモビリティ(特に1〜2人用小型電気自動車)や、サービスロボットに活用されていくことになるだろう。
先日打ち上げられた「H?A」17号機には、日本初の金星探査機「あかつき」、世界初の宇宙ヨット「IKAROS(イカロス)」、そして4基の小型副衛星が搭載された。
そのどれもが素晴らしいチャレンジだが、なかでも「小型ソーラー電力セイル実証機」と名付けられた「イカロス」の技術実証実験は要注目。
実験は大きく分けて2つ。ひとつは、薄膜太陽電池が張られた一辺14mのセイルを広げ、宇宙空間で発電することを確認すること。展開されたセイルの全体像は本体に搭載されたカメラを宇宙空間に放出して撮影する。もうひとつは、セイルが太陽光だけで加速・減速し、方向転換や軌道制御できることを確認すること。併せて、本体のスラスタ噴射や薄膜に張られた液晶デバイスによる姿勢制御も行われる。
その他、イカロスから電波を放出して、複数の地上局で受信することで高精度な軌道を決定するVLBI(※)実験や、搭載されたダストカウンターによる軌道上のダスト分布推定実験など、理学や工学の多くのオプション実験を行う予定で、この機会にやれることはすべてやってしまおうという研究者の旺盛な意欲が伝わってくる。
今回の実証実験の成果を基に、将来的には高性能のイオンエンジンを組み合わせて、木星への長距離航行を目指す。
(※)VLBI(Very Long Baseline Interferometry:超長基線電波干渉法)
はるか彼方にある電波星(準星)から放射される電波を複数のアンテナで同時に受信して、その到達時刻の差を精密に計測する技術。
「世界ふしぎ発見!」(TBS)で、アメリカのグランドサークルを取り上げ、その中でも特に美しい絶景ポイントとして「The Wave」を紹介していた。
映画「アバター」で自ら3Dカメラシステムを開発したジェームズ・キャメロン監督は、一般からの興味を高めるとしてNASAの次世代火星探査車に新たな3Dカメラを設置するよう働きかけたが、われわれの想像をきっと遥かに超えるだろう火星の美しい自然景観を早く見てみたい。