<つづき>
印象に残った担当者の言葉。
「ノートパソコン並の価格にするには、市場規模では10万台は作る必要がある。
しかし、パソコン並の価格になったからといってユーザーがロボットの価値を認めてくれるかどうかはわからない」
(エレクトロニクスメーカー)
「これまでロボットといえば、癒し系など、見たり、一緒に遊んで楽しんだりというものが多かったが、今後は『留守のとき実際に役立つロボット』が、増えていく可能性が高い」
(通信キャリア)
「やはりロボットは、人間の代わりではなく、ロボットしかできないことを見せないといけない。今後も新しいマシーンとして提示していきたい。
ロボットは自動が前提だが、車の自動運転はひとつの方向性であり、新しい技術が車から生まれるか、ロボットから生まれるかの違いだけである」
(自動車メーカー)
印象に残った担当者の言葉。
「ロボットは、革命的な人工物であるため、ユーザーも少しずつ受け入れて行く。なのでゆっくりとしか浸透していかない。
山登りに例えると、登坂ルートはいろいろあるが行きつ戻りつしながら、山を登っているような感じ。山の天気が変わるように顧客のニーズに合わせて進み方も変えるようにしている。
大事なのは、自分の考えではなく、顧客の声や周りの反応をしっかりと聞くこと」
(住宅・ビル設備機器メーカー)
「ロボットは、どこまで役に立てば販売台数が増えていくのか読みにくい。
『役に立つ』とわれわれが自信をもって提案できるようにならなければ、普及していくのは難しいと思う。
それには実環境でお客の声を聞きながら技術や使い勝手を磨いていく事が重要だろう」(エレクトロニクスメーカー)
「ロボットの市場が急激に拡販してブームで終わらないよう、前年比1割増しくらいにゆるやかに売れていけばいいと思っている。
販売数量ではおもちゃメーカーにかなわないので1万台程度売れるところを目指す。
堅実に長い目でやっていきたい」(ホビーメーカー)
<つづき>
参考 : 「パートナーロボットの最新市場動向と重要技術・キーパーツ動向」
昨年刊行した「パートナーロボットの最新市場動向」。
多くの企業のご担当者にお会いして、お話を伺うことができた。
共通点は「真摯で、謙虚」だったということ。
パートナーロボット(以下ロボット)は製品発表時には、多くのメディアが取り上げ、脚光を浴びる。
しかし、販売現場では苦労も多く、実績が上がらなければ、社内的な立場も微妙になること。また、ロボット作りが困難なチャレンジの連続なため、それが自らを真摯で謙虚な態度にさせるのかもしれません。
サッカーが、「少年を大人に、大人を紳士にする」ように、
ロボット作りは、「子供を大人に、大人を真摯にする」ようだ。
日本の携帯電話の利用者数は約9千万人。
そのほとんどがNEC、松下電器、シャープなどの国内メーカーのもので、外国製の携帯電話を持っている人はほとんど見かけないし、まして韓国メーカーの携帯電話を使っている人は稀だろう。今までは。
日本の携帯電話は「ケータイ」というほとんど別物の最先端高付加価値商品なので、シェア比較にあまり意味はないのかもしれないが、
それでもグローバルな視点で見れば、携帯電話約8億2千万台のうち、日本メーカーの世界シェアは各社1%前後(ソニー・エリクソン除く)。
ノキア35%、モトローラー17.8%、サムスン12.1%、LG7.2%、シーメンス4.7%の6社でほぼ80%を占める※。
韓国のロボットは日本やアメリカのパクリが多く、今はまだ、なんだかなぁ、なのだが、
2000台の知能型ロボットを普及させるため、官民共同で「国民ロボット事業団」を発足させるなど、政府主導によるロボット開発に取り組み始めており、2015年には世界1位のロボット生産国を目指している。
トップレベルの技術とダントツの特許を持ち、「ロボット技術戦略マップ」の下、着実にロボット開発を進める日本ですが、
昨年のサッカーワールドカップでの「SAMURAI BLUE」などというキャッチコピーに浮かれる映像を思い出す度、
エレクトロニクスや携帯電話同様、韓国に世界市場を席巻させられてしまうのではと、心配にもなる。
「サムライ、ブルーになる」ことのないよう、気を引き締めていきたいものだ。
※「2005年の世界携帯電話端末市場の結果」ガートナージャパン
「ヒュンダイ」(現代・起亜自動車グループ)の車といっても、国内で走っている姿をほとんど見かけたこともないし※、そのスタイリングもなんだかなぁという感じで、これまで気に留めることもなかった。
ところが、2005年のヒュンダイの世界販売数は、355万台。
これはホンダに次ぐ世界第7位で、2010年までに650万台、世界第4位になる目標を掲げている。
また昨年、J.D.パワーが発表した「2006年米国自動車初期品質調査」では、
高級車ブランドでポルシェ、レクサスに次いで第3位。
大衆車ブランドではなんとトヨタを抜いて、トップ。
デザイン、先進技術、環境・安全対策、価格面、そのどれをとっても、
特徴のなさそうなヒュンダイの車。
なのに何故?
国内だけを見ていては、理解できないことが、着実に進行しているようだ。
※2005年の国内販売台数は2295台。