最初の天皇の御料車「ダイムラーリムジン」が導入されたのは、1912年。
自動車が発明されてから26年後のことだった。
その後、ロールスロイス(1920〜1931)、メルセデス・ベンツ「グローサー」(1931〜1969)と続き、現在の「ニッサンプリンスロイヤル」(1967〜2006)にいたっている。
宮内庁によると、平成17年の御料車の使用実績は50回。
ということは週にほぼ1度の使用頻度で40年使われ続けたことになる。
もちろん所有する5台の御料車を使い分け、最高の技術スタッフがメンテナンスを行い、ムチャな運転走行や風雪にさらされることもなかったとはいえ、40年間現役というのは、やはり驚きだ。
とはいえ、「車両本体の老朽化、部品補充が困難となってきたこと等からその維持が限界に近づいており、運行に支障を来すおそれがあるため」、後継車として、トヨタ自動車の「センチュリーロイヤル」が昨年から導入されている。
「センチュリーロイヤル」は8人乗りのリムジンで、車内に天然素材をふんだんに使い、低燃費、低公害車。
昨年8月の全国戦没者追悼式でデビューし、3〜4年をかけて、計4台が納入される予定。
次の御料車が決まる頃までに、
「御料ロボット」というのは実現しているだろうか。
そして、それは一体どんなロボットなのだろう。
天皇が使われるロボットのイメージが、ぜんぜん思い浮かばない・・・
東ヨーロッパ、モルドバの東の地域に、沿ドニエストル共和国というちょっと変わった名前の国がある。
「ドニエストル川沿い」にあるから「沿ドニエストル」。
しかし、この国はロシア以外の国からは国家として承認されていない。
事実上のロシアの傀儡政権で 旧ソ連軍が備蓄した膨大な量の武器を保有しており、イランやコソボ自治州などへの武器密輸疑惑で国際的な非難を受けている。
昨年、レバノンのシーア派組織ヒズボラが、爆発物を搭載したリモコン式無人機でイスラエル軍艦を攻撃。死傷者がでた。
これまでイスラエル製無人機によるミサイル攻撃は知られていたが、今回ヒズボラが無人機攻撃に成功したことで、戦場での無人機利用がますます活発になることが懸念され、世界の紛争地域に拡散する可能性がある。
日本が国家として認めていない北朝鮮、台湾、北キプロスなどはもちろん、世界には沿ドニエストル共和国のような事実上独立した地域(アチェ・スマトラ国、南オセチア共和国、コソボ自治州など)や
独立を主張している地域(チェチェン共和国、イスラム教徒ミンダナオ自治地域、スペイン・バスク国)など多数あり、それぞれ火種をかかえている。
日本の航空自衛隊は、イラクのサマーワから陸上自衛隊が撤収したことを受け、昨年7月末から新たにバグダッドとアルビルの2か所とクウェート間で、国連の人員・物資輸送を行っている。
自衛隊員が紛争に巻き込まれないことを祈るばかりだ。
20数年前、北米を旅していたときにキーウエストにもしばらく滞在していた。
当時のキーウエストには絶滅寸前のヒッピーたちが世界各国から流れついてきたような雰囲気があって、ヘンミングウェイが通った「Sloppy Joe's Bar」もそんなヒッピーたちでにぎわっていた。
そこで友達となったオーストラリア人の若者は、フロリダからカリブ海の島々にかけ、一攫千金を狙って難破船を探し回る、いわゆるトレジャーハンター。
酔うほどに話がデカくなる彼の冒険譚は法螺話として本当に面白く、ビールを片手に笑い転げたものだった。
昨夏、東京海洋大学で「水中考古学」についての講演会(アジア水中考古学研究所)があった。
「水中考古学」はキーウエストの件からなんとなく興味があり、元寇の役で有名な伊万里湾の鷹島遺跡などの関係書籍は読んだりしていたが、これまでなかなか現場の話を聴く機会がなかった。
講演では、
日本の海、湖、池に眠る遺跡は少なくとも10,000ヶ所はあること、それにもかかわらず各地域の教育委員会が把握している水中遺跡は380ヶ所あまりしかなく、しかも水中遺跡の調査は年に1〜2件しかないこと、
そして日本でなかなか水中考古学が発展しない理由として、
水中考古学を体系的に学べる大学がひとつもないこと、
水中遺跡探査は地上遺跡に比べ、費用(1日平均150万円)がかかり過ぎること、
など日本の水中考古学の現状の報告があった。
地中海ではエジプト、ギリシャ、ローマ時代などの水中遺跡が次々と発見され、水中考古学は大変注目されている。
特に近年では、AUV(無人探査機)が威力を発揮する場合が多いようだ。
世界最先端の日本のAUVが、日本の水中考古学に貢献できないはずはない。
地上遺跡の発掘が中高年をはじめ、多くのファンを魅了しているこの日本で、水中に眠る遺跡の発見は、新たなファンを獲得すると共に、海や湖にこれまでとは違う関心を呼び起こすはず。
今でもきっと、あのオーストラリア人は財宝を追ってカリブの海を探し続けている。
先日、知人がハワイに行ってきた。
あらためて驚いたのは、その飛行時間(往7時間、復8時間)。
25年前と変わらない。
インターネットや携帯電話がこれほど普及し、科学技術も日夜進歩しているのに、飛行機の飛行速度は25年前とほとんど変わらない。
空の旅の安全性、快適性(食事、TVモニターやシートの座り心地など)の向上はうれしいことだが、それでも目的地に早く着くに越したことはない。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、旅客機の国産化を目指し、今後次のようなシナリオを描いている。
?2015年頃までに環境に配慮したエンジンの開発と高性能小型航空機の運行
?2020年頃までにマッハ2クラスの超音速旅客機(SST)を国際協同開発して、太平洋を5時間で横断
?2025年頃までに極超音速無人実証機を開発して、マッハ5クラスの技術を実証
?その極超音速技術を宇宙輸送に展開
SSTやリニア新幹線の話は、子供の頃から一向に実用化されない代表的な科学技術。
科学技術創造立国を目指す日本は、科学技術関連予算を毎年増加させており、
その見返りとして、これまでの「研究のための研究、技術開発偏重」から利用者ニーズにあった「技術成果の社会還元、社会貢献」に大きくシフトしている。
宇宙・航空分野も「宇宙・航空の利用、産業化」と国民に「成果が見える」ことが求められている。
JAXAもそれで目覚めたのか、一時期のどん底の不振がウソのように次々と人工衛星打ち上げに成功しており、小惑星探査機「はやぶさ」や地球観測衛星の「だいち」など目に見えるすばらしい成果を挙げている。
アメリカの15分の1の宇宙開発予算を少しでも維持拡大するためには、国民の合意と支持がどうしても必要だ。
そのためにも、ハワイまで3時間で行かれる日が早くきてほしいものだ。
昨年6月下旬、イラクのサマーワ宿営地周辺で陸上自衛隊所属の無人偵察ヘリコプターが墜落した。原因は故障か操作ミスとのことだが、サマーワに配備されていた4機の内の1機だった。
防衛庁の平成17年度の調達費は、1兆3738億2500万円。
戦車、潜水艦、ミサイル、戦闘機などあらゆる戦闘兵器を国内メーカーから購入している。
調達契約企業上位20社には、三菱重工業、日本電気、東芝、石川播磨重工業、富士通、富士重工業、日立製作所など、家庭用パートナーロボットや各種ロボットを開発している企業がずらっと名を連ねている。
アメリカをはじめ、中国、イスラエルなどがロボット兵器の開発と実践配備を実施している中、ロボット大国を自負する日本が、何故ロボット兵器に手を出さないか、不思議な気がする。
自衛隊の専守防衛やロボットの平和的利用などいろいろ理由はあるのかもしれないが、防衛省や防衛研究所のHPで探しても情報は皆無で、はっきりしない。
(平成17年7月の大野防衛庁長官の記者会見があるくらい)
平成17年度から21年度にかけての「中期防衛力整備計画」でも、ロボット兵器に関する記述は、
「滞空型無人機について、検討の上、必要な措置を講ずる」
とあるだけだ。
今後自衛隊の海外派遣が増え、隊員の犠牲者が出始めたとき、ロボット兵器の開発も一気に進んでいくのかもしれない。