「考えながら、走る (Think Run)」 サッカーですっかり有名になったオシム監督。
サッカー選手にならなければ、数学者を目指したというだけに、
絶え間なく攻守が入れ替わる「7色のビブス」※に代表される複雑な練習法は、
「集中力を持続していないと何が何だか分からなくなる」ようだ。
考えて、考えて、また考える ・・・
これまでも「考える」ことが軽視されていたわけではないと思うが、「数学的」に美しいスタイルのサッカーというのをみたいと思う。
カタチが伴うロボットには、「考える」ことにプラスして、とても多くのことが要求される。
それこそ、「777色のビブス」を着けているよう。
Think Action
Think Result
Think Sales etc
そしてなにより、
Think Help a Person (人に役立つ)
いろいろ「考えた」だけでも大変な世界だが、「考えた」先に訪れる上質で豊かな生活を信じて、私も走りながら、考えようと思う。
※例えば7色のビブスを使って3人構成の7チームに色分けし、ハーフコートに全チームを配して「3チーム対4チーム」に分け、ボール回しをさせる。
「3」が回し「4」が奪う役割で、「3」の側は同色の仲間にパスを出してはならず、パスはすべてワンタッチ。
ボールを奪われた色のチームはすぐに、「4」の側の1チームと交代する。
(産経新聞 2006年8月8日)
2005年11月、「ロボティック・ライフスタイル(Robotic Lifestyle)」の商標を申請した。
その半年後、その結果の通知があった。
「この商標登録出願は、次の理由によって、拒絶すべきものと認めます。
これについて意見があれば、この書面発送の日から40日以内に意見書を提出してください」 (原文のまま)
ええっー!と思いながら、その「理由」を読んでみると、
「この商標登録出願に係わる指定役務が不明確でその内容及び範囲が把握できないことから <中略> 商標法第6条第1項及び第2項の用件を具備していません」
ということで、かなりがっかりしたが、続いて
「・・・その指定役務の表示を明確にしたときはこの限りではありません」
という「ただし」書きがあり、「補正案」が添えられていた。
審査官に連絡を入れ、補正案に準じた「手続補正書」を再提出。
その後、手続補正書の登録査定が通り、登録料を振り込むと、
特許庁から「商標登録証」が郵送されてきた。
ロボティック・ライフスタイルの商標期間は、10年。
これからの「ロボットと暮らす上質で新しい生活」を、この商標と共に見つめていきたい。
残り、あと9年。
2006年のスポーツの記憶は、サッカーワールドカップドイツ大会ではなく、夏の甲子園・決勝だった。
延長15回引き分け再試合を経ての決戦は、純粋に野球自体の面白さを再認識させてくれた。
昨年の甲子園は、バカスカ点が入る試合や逆転試合が地方大会でも多くあり、その勢いがそのまま、あの駒大苫小牧対早稲田実業の決勝戦に結実した気する。
高校生の頃、私は高校野球が嫌いだった。
正確に言えば、マスコミが作り上げる「汗と涙の甲子園」野球が嫌いだった。
感動を無理に強要させようとする演出が、鼻持ちならなかった。
松坂選手の横浜高校が優勝して以来、高校野球人気が低迷していたこともあって、当初、マスコミの反応は駒大苫小牧の3連覇という信じられない記録がかかった大会にもかかわらず、以外と静かな印象だった。
しかし、大会が進むにつれ、TVや新聞による「感動のドラマ」の洪水があふれ出し、斉藤投手はあっという間にヒーローになってしまった。
「伝える」側からすれば、選手一人一人やその家族、関係者の内面を描くことで、試合の中だけでは見えない「感動ドラマ」を演出することができる。
そんな高校野球につきものの「感動ドラマ」こそが、今後、「機械」であるロボットに必要になってくるかもしれない。
「機械」と「ヒト」との間にドラマが生まれたとき、ロボットとの関係はあらたな段階となり、ロボットという存在が「機械」を越えていくのだと思う。
昨年、上野の東京国立博物館にプライスコレクション「若冲と江戸絵画」展を観に行った。
伊藤若冲(じゃくちゅう)を中心に円山応挙(おうきょ)長沢芦雪 (ろせつ)酒井抱一(ほういつ)、鈴木其一(きいつ)などの江戸の画家の作品100点あまりが展示されていた。
どの作品も個性豊かで理屈ぬきにおもしろいかったが、その理由は、
50年前にニューヨークで魅せられ、誰の作品かわからぬまま購入した葡萄の絵が、のちに伊藤若冲が描いたものとわかったというように、ジョー・プライス氏が作家の名前ではなく、自らの琴線に触れる作品を選んできたから。
既成の専門知識ではなく、プライス氏独自の感性が作品選びの基準になっているので、展示されたどの作品も生き生きと、のびのびとした印象を受けた。
圧巻は、
「江戸時代にガラスケースはなかった」というプライス氏の意向による、
ガラスケースを用いず、光の効果に工夫を凝らした展示室。
金箔や銀箔の屏風画が光の明暗で微妙に変化していく様が絶妙で、
まるで「映画」を観ているよう。
単に古びた印象でしかなかった屏風画が、ライティングによる環境変化で活き活きとした生命感を取り戻す、その「瞬間」に立ち会うことができた。
絵画もロボットも環境とのインタラクション(相互作用)が大切だな。
<つづき>
「ロボット技術戦略マップ」の成果報告書では、
?産業用ロボット
?サービスロボット
?特殊環境用ロボット
?RT関連応用技術
それぞれについて現状把握と問題点、実用化に向けてのロードマップを作成して、将来を見据えた「ミッション型開発」を提案している。
また、
・生活の中でのロボット利用についてのアンケート
・シェフロボット、高齢者支援ロボットなどの利用が想定されるユーザ企業(ファミリーレストラン、マンション管理サービスなど)へのヒヤリング
・2015年のRT社会のイメージ
など、
延べ140名の専門家による、事細かな分析と将来像が描かれている。
もちろんこれらの実現に向けては、ロボット単体だけでなく、ロボットが動き易い環境作りや社会インフラの整備も同時に進めていく必要はあるだろう。
また世の中の動きに配慮した修正を加え(ローリング)、今後も引き続き戦略の制度を高めていく必要もあるだろう。
そして、時間もかかるだろう。
でも、後は「やるだけ」。
技術者、研究者はもちろんロボットに関わるすべての人が、
がむしゃらな気持ちと強いプロ意識をもって、「人に役立つロボット」を、
「やるだけ」だ。