<つづき>
日本は、ロボット用ミドルウェアの日本主導による国際標準化を進めるため、ソフトウェア技術に関する非営利国際標準化団体OMGに加盟し、アメリカと協力して原案を作成。
それが、OMG標準仕様案として採択された。
OMGでの標準化へのプロセスは、OMGメンバー間でアイディアを出し合い、議論を通して共通認識を作り、その理解者を増やすことで合意を目指すというもの。
今回は日米を中心に韓国とも協力して、標準化仕様案を策定した。
それだけに、欧州諸国の反応が気になる。
国際的な標準化のお墨つきを与える団体といえば、各国の代表的標準化機関が参加する、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)があり、そこでの標準化案審議が欠かせない。
OMGの標準化案に、欧州諸国が対抗案を出してくる可能性も考えられる。
日本は過去、ISO9000や14000シリーズといった標準化策定で、いいところをほとんど欧州に持っていかれたという苦い経験を持つ。
いくらロボット技術で先端を走っていたとしても、標準化で足元をすくわれてはたまらない。
OMG標準化はとても大きな一歩だが、カケヒキジョーズな欧州諸国に土壇場でひっくり返されぬよう念には念を入れて、取り組んでいってほしいと思う。
ちなみにOMG仕様案は2007年秋、標準仕様文書としてOMGのホームページで公開され、誰でも無料で、仕様に準拠したソフトウェアを自由に開発、販売できるようになる。
昨年、日本の提案をベースにした「ロボット用ミドルウェア」の国際標準仕様原案が国際標準化団体OMGで採択された。
ロボット用ミドルウェアとは、ロボットシステムの機能(センサ、モータなど)の通信インターフェースを標準化して、ユーザのニーズに合わせたロボットシステムを構築する基盤技術のこと。
標準仕様のソフトウェアがあれば、どの企業で作られたロボットモジュールでも、それを組み合わせてロボットシステムを作ることができるようになる。
現段階では、ロボットの構成要素とソフトウェアの開発が企業や研究機関で個別に行われているため、相互共有が難しく、また膨大な経費もかかることから、効率的なロボット開発のネックとなっている。
ロボット技術の標準化が進めば、共有化によるロボット開発のコスト削減ができ、多くの新規企業の参入や多様な生活支援ロボットの低価格商品化などが期待できる。
今後はこの標準仕様を基に、音声認識、画像認識、位置認識など様々な機能を持つモジュールの標準インターフェースの策定が進められる予定とのこと。
まさに、ロボット普及のキモ、といえる。
昨年、トヨタの新型カローラが発売された。
1966年の初代から数えて10代目だそうだ。
大衆車のカローラにこれまで興味を持ったことは一度もない。
乗っていて楽しいクルマと思えなかったから。
しかし、誕生から40年、ずっと車名別販売台数のトップを競い、累計生産台数3600万台、月販目標台数12000台というのは、文句なしにすごい。
新型カローラにはリヤビューカメラやレーダークルーズコントロール、インテリジェントパーキングアシストなど高級車に負けない最新技術が装備されている。
また環境に優しい新型のエンジンも開発した。
デザインにすぐれ、個性あるロボットの開発も必要だが、
多くのユーザに愛され、時代と共に歩み続けられるロボットもまた、大切だ。
今年のSEATECでも目立ったのは、
「黒」を際立たせる大型フルハイビジョン対応のテレビ。黒がくっきりでればそれだけ色彩は鮮やかになる。
そこで思い浮かべたのは、惑星探査機が撮影した太陽系の写真集「BEYOND」。
惑星探査機によって、太陽、月、金星、水星、火星、小惑星、木星、土星、天王星、海王星の美しい姿が写しだされている。
特にボイジャーによる土星の写真は、
精緻な工芸品のようなリングの美しさに、ただただ魅入るばかり。
間近で見ることができたならどれほど感動するかと思う。
2007年9月、日本初の月探査機「かぐや」が打ち上げられ、先日、NHKのハイビジョンカメラによる「地球」の姿が公開された。
今後も月や宇宙の映像が送られてくると思うが、
青い地球をバックに漆喰の闇に浮かぶ月の姿は、さぞかし美しいことだろう。
ちなみに写真集「BEYOND」に、冥王星の写真はない。
資金難でボイジャーが到達できなかったというのが真相のようだが、冥王星が惑星から除外された今となっては、正解だったのかもしれない。
平日の昼間、TVを見ていて思うのは、生命保険のCMがやたらと多いこと。
保険に入っていないといざというときに大変ですよと不安を煽る煽る。
ある調査による世界幸福度ランキングで、日本は178ヶ国中、90位。
欧米諸国よりランキングが低いのはなんとなくわかるとしても、中国(82位)より低いのは、国民性としかいいようがない。
(ちなみにロシアは167位。上には上があるものだ)
化粧品、育毛商品、健康食品など、人々の不安心理につけ込む広告が身の回りに溢れている。
また、仕事を辞めてしばらくのんびりしていたり、楽しく遊び続けていたり、中々結婚しなかったりする人に、やたらと将来の不安を述べて、たしなめること輩も多い。
心配性の人は、幸福そうな人を見ると自分も幸せになろうというより、幸福なことが心配に思えるのだろう。
ロボットの関係者にはおおらかな人が多い気はするが、内心は「心配で、心配でしようがない」のかも。
どんな時も「ダイジョウブ!! ぜんぜん問題ナシ」と言って安心させてくれる「ダイジョウブ・ロボ」が、案外一番必要だったりして?!