2月に開催された東京マラソン。
あいにくの天気だったが、参加したランナーは皆楽しそうだった。
ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなど世界の大都市では以前から3万人規模の市民マラソン大会は行われていて、東京でもその開催が望まれていたが、オリンピック誘致を期に一気にイベントとして仕掛けた。
東京は様々な表情を持つ、とても魅力的な都市なので、マラソン開催を通じてその魅力をあらためて多くの人に知ってもらうのは、とてもいいこと。
新宿都庁をスタートにした今回のコースは、当初は渋谷、秋葉原、上野などを巡って、日本橋も渡る設定だったが、交通の関係で断念した。それでも東京の多様な姿を見ることができ、よかったと思う。
開催の歴史を積み上げていくことで、よりよいコース設定も行われていくことだろう。
はじめての大会とあって、現場は相当混乱していたはずだが、大きな混乱もなく開催できたことはすばらしいと思う。
関係者の周到な準備と、地域・ボランティアの献身的な協力があった故だろう。
もちろん小さな問題は多々あったと思うので、それらを教訓に世界を代表する市民マラソンに育っていってほしい。
次回開催も2月のようだが、参加者が心から楽しめるマラソンを目指すのであれば、開催時期を新緑の頃に設定するという選択もあると思う。
コース設定と共に今後の課題だろう。
今回の東京マラソンが「東京オリンピック」誘致の政治的な布石だとしても、男も女もなく、日本人、外国人を問わず、また健常者、障害者に関わらず、一生懸命走る姿には素直に感動する。
東京マラソンが会を重ね、すっかり東京の風物詩として定着した頃、一般ランナーに交じって、銀座を走るロボットランナーを声援できる日も来る、かなぁ。
映画監督の溝口健二は大正十四年(1925)、同棲していた女性からカミソリで背中を斬りつけられたことが新聞沙汰になり、撮影中だった作品を降板させられ、しばらく謹慎する羽目になる。
この傷は一生残り、冗談混じりに「君、こんなことで驚いては駄目ですよ、これでなきゃ女は描けませんよ」と語ったという。
今年2月、NASAの女性宇宙飛行士が同僚の宇宙飛行士を巡って殺人未遂容疑で逮捕された事件。
容疑者はスペースシャトルのミッションスペシャリストとして、地球と国際宇宙ステーションをスペースシャトルで往復した経験を持つ、米海軍大佐(テストパイロット)で3児の母。誰もが賞賛するヒロインが犯した事件だけに、それこそ「全米を揺るがす」スキャンダルになった。
三角関係のもつれから凶行に及んだ犯行自体は容認できないが、多かれ少なかれ似たような恋愛経験は皆あるわけで、「宇宙飛行士も人間だ」と容疑者への同情の声も挙がっていたようだ。
この事件は、ヒトは時には誤ったこともするというとても人間らしい行為なわけだが、NASAにとってはそこが大問題。
特に今回は、三角関係の当事者の男性も現役宇宙飛行士(スペースシャトルのパイロット)ということもあり、NASAでは今後宇宙飛行士の選別に当たって心理学的な性格診断テストを重視するとの方針を明らかにした。
長期にわたり宇宙に滞在する宇宙ステーションや惑星間飛行などで、男女の恋愛のもつれから殺傷沙汰が起きるようなことがあったら、大変だ。
今回の事件は、知力・体力とも秀でた宇宙飛行士でさえ、軌道を逸した恋愛に走ることがある、つまり良い意味でも悪い意味でもヒトは間違いを犯す生き物だ、ということを改めて印象づけた。
極限の宇宙空間において、感情に左右されることなく、正確に任務をこなすロボットの重要性がより増してくるかもしれない。
容疑者がテキサス州からフロリダ州まで(日本で言えば青森―東京―-福岡に相当)の1600kmをNASA特製のオムツをつけてノンストップで車を飛ばしたことは、後で誤報だとわかりましたが、
それに一番反応したのは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のスピンオフ担当者だったかもしれない。
(つづく)
(つづき)
脳組織そのものにできる悪性の「グリオーマ」(神経膠腫=しんけいこうしゅ)は悪性度により、グレード?〜?にわかれ、腫瘍部分を多く切り取るほうが生存率も高いことがわかっている。
しかし、周囲の組織に広がるグリオーマは、正常組織との境界線があいまいで、周りの組織も一緒に切り取ると、言語障害や身体マヒになる可能性がある。
そのため、これまでは思い切った切除ができないことが多かったようだ。
東京女子医科大学の「術中MRI手術システム」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて、「脳腫瘍完全摘出システム」として開発された。
「術中MRI手術システム」は多額の経費がかかることから、「外科領域のF1」とも呼ばれ、世界各国で技術開発競争が行われている。
現在、悪性グリオーマに対しては術中MRIをはじめ、ガンマナイフ治療や遺伝子治療などさまざまな先端治療法が試みられているが、それらの設備が整った病院はまだほんの一部。
最先端治療を受けられるか、手術経験豊富な執刀医に出会えるかで生死が分かれる「先端医療格差」が、ますます懸念される。
一部引用 : 日経新聞 1/28及び2/4 医療欄
参考 : 取材「術中MRI手術システム」
今年の1月、東京女子医科大学の先端治療の手術現場を拝見した。
磁気共鳴画像装置(MRI)を中心に多くのカメラや機器類が配置された20畳ほどの手術室は「インテリジェント手術室」と呼ばれ、患者に関するあらゆる情報を一元化できるようになっている。
一番の特徴は、MRIを手術前に撮るだけでなく、手術中にも撮影すること。
その画像は10分程でモニターに映し出され、術前と変化がないか、腫瘍の取り残しがないかなどをその場で確認できる。
実際、当日の現場では術中MRIにより患者が出血をしていることがわかり、スタッフはモニターで確認しながら冷静に対処していた。
またリアルタイムに示されるメスの位置から、手術が計画どおり進んでいるか、腫瘍をどこまで摘出したかなどを「手術ナビゲーション」で確かめたり、言語機能や運動機能周辺の腫瘍を切り取る場合は、電極に刺激を与え、モニター上でその反応を確認しながら、手術を進めていた。
(つづく)
一部引用 : 日経新聞 1/28及び2/4 医療欄
参考 : イベントレポート「術中MRI手術システム」
21世紀の今日、毎年仰々しく開催されるものの、何の意味があるのかさっぱりわからない行事に、紅白歌合戦と国民体育大会がある。
いい歳した女と男が紅白に分かれていまどき歌合戦はないだろうと思うし、有力選手を手段を選ばず郷土選手として出場させ、主催県の総合優勝が至上命題になっている体育の大会というのも、よくわからない。
そもそも国体は戦後の混乱期の中で国民に勇気と希望を与えることを目的に、1946年に第1回大会を開催して以来、毎年各県持ち回りで行われ、目的が達成され、開催経費が膨らんだ1988年以降も二巡目開催を続けており、今年の「秋田わか杉大会」で62回を数える。
そして2010年の第65回大会は、千葉県での開催が決定。
千葉県で開催されるのは1973年の第28回「若潮国体」以来、37年ぶりで、
当時小学生だった私は市民体育館で行われたボクシングの試合を見たものだった。
1973年当時、少年漫画誌が描いた21世紀は、月旅行や火星探検、リニアモーターや超音速ジェット機などが活躍する明るい未来と、でもその前に1999年の7月を迎えなければならないという暗い未来が同居している世界だった。
そんなはるかはるか未来である21世紀の先進社会で、こんなローカル色満載の国体が、まさか続いているとは想像だにできず、もう生涯、国体の試合など見ることはないだろうからと、冷房のない蒸し風呂のような体育館でボクシングの試合を見た、
それなのに・・・
第65回「ゆめ半島千葉国体」のマスコットキャラクターは、
千葉県に住む不思議ないきもの「チーバくん」。
コンペによって応募13作品(?!)から選ばれた生活習慣病一歩手前のキャラ。
未知のものに立ち向かうときほど勇気と情熱がわき、からだが赤く輝く、のだそうだ。
みうらじゅん氏の「ゆるキャラショー」の仲間入りだが、彦根城築城400年祭キャラクターの「ひこにゃん」のように、突然、大化けするかもしれないが、子供の頃夢見た未来、今いずこ、だ。