昨年、ボーイング社は今後20年間の商業航空機の市場規模が2兆8000億ドル(336兆円)にも上るという独自の市場調査結果を発表した。
ボーイング社によると2026年までに2万8600機の新しい商業航空機が生産され、その内訳は、
90席未満のリージョナルジェット 約3700機
90〜240席の小型旅客機 1万7650機
200〜400席の中型旅客機 6290機
400席以上の大型旅客機が960機
地域別では全需要の36%がアジア太平洋地域で、
北米が26%、欧州が25%、南米・アフリカなど13%
になると分析している。
現在、三菱重工が開発を進めている国産初の小型ジェット旅客機は、90席未満のリージョナルジェットと240席未満の小型旅客機カテゴリーの2種類。
また川崎重工業は、防衛省次期輸送機「CX」を民間機に転用し、貨物航空機市場に参入を発表し、ホンダもビジネスジェット市場で「ホンダジェット」の受注生産を開始している。
経済産業省が試算している2025年における次世代ロボットの市場規模予測は、約7兆2000億円。
産業用ロボットの市場規模予測約1兆4000億円と合わせても、20年後の国内ロボット市場規模は約8兆6000億円です。
これはボーイング社の予測値、336兆円の1/40の市場規模。
今後、次世代ロボットの市場がなかなか立ち上がらない状況が続けば、世界市場が約束され、裾野の広い航空機市場分野に中小のロボット関連メーカーが鞍替え決断する日も近い気がする。
(つづく)
昨年開催された「グローバル・イノベーション・エコシステム2007」。
シンポジウムで、講演者からある調査結果が紹介された。
それによると、夢を持っていると答えた子供の割合は、世界平均が65%であるのに対して、日本は35%。
日本の子供たちは、その日を楽しく暮らすことを上位に挙げており、これは子供たちの親世代に将来の夢がなく、その「いじけた」姿が影響している、と分析されていた。
「子供たちに見放された日本」がイノベーションを行っていくためには、
「未来の子供たちの財産・環境を奪わない」「若者たちに挑戦すべき課題(夢)を提示する」ことが大切であり、
その挑戦すべき課題とは、環境、エネルギー、南北問題、感染症対策などの「人類共通の課題」である、としている。
まったく同感だが、
イノベーションが創造的破壊と日本の社会システム自体の変革を伴うことから、その実効には長い時間を要することが予想され、
「本丸や主流から事を始めなければならない」わけだが、
講演者からは、ここ最近の「保守的思考の回帰」について懸念する言葉が繰り返し述べられていた。
大企業、公務員志望の安定指向、株主総会での防衛策の承認 ・・・
「安定」を求めることは必ずしも悪いことではないが、
少なくとも「出る杭を伸ばす」、そんな社会になるよう努力しなければならない、と思う。
昨年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士へ供給するための「宇宙日本食」を認証した。
白飯、赤飯、マヨネーズ、ラーメン、サバの味噌煮、羊羹、黒飴、わかめスープ ・・・
提供するのは、日本の代表的な食品メーカー。
一方、米航空宇宙局(NASA)は2010年に完成予定のISSの施設を民間企業や米国の他省庁に開放する方針を明らかにした。
米国が宇宙開発の方針を月や火星への有人飛行へと転換したためで、日本の実験棟「きぼう」の使用権を半分もつ米国が、資金獲得のために「きぼう」を外部に開放することも考えられる。
「きぼう」の建設自体、米国の都合でこれまでもさんざん延期され、数年も待たされた経緯があり、ようやく建設スケジュールが見えてきて、年内には実験もスタートという時期に、またかという感じだった。
NASAのご都合主義に翻弄されるISSで今一番必要なのは食べものなどではなく、
酔わずにはいられない、「宇宙日本酒」のほうだろう。
アメリカのVecna Robotics社が米軍からの依頼を受けて研究開発中の「BEAR(Battlefield Extraction and Retrieval Robot)」は、戦場で負傷した兵士を救出する「救助用ロボット」。
You TubeでアニメがUPされている。
兵士を抱えたまま立ち上がったり、クローラーを利用して階段もスムーズに走行できる。
Vecna Robotics社では、この「BEAR」を介護や家庭用ロボットとしても考えているようだ。
アメリカのロボットはまず軍事利用ということで開発されるため、ロボット活用の目的が明確で、スコンとぬけた感じがあり、
なにより、ロボットでしかできないことに特化させようとするところが、魅力だ。
ヒトらしい特徴といえば、やはり二足歩行。
昨年、英国バーミンガム大学の研究チームはオランウータンの観察から、ヒトの二足歩行が地上ではなく樹上で始まった可能性があると発表した。
研究チームは「生活のほとんどを森の中で過ごすオランウータンにとっても、二足歩行は便利な方法だ」と指摘。
それで思い出すのが、エレイン・モーガンの著書「人は海辺で進化した」(どうぶつ社刊)で有名になった「水棲類人猿説」(アクア説)。
ヒトが二足歩行をするようになったのは、気候変動で森が減少して樹上の食糧が乏しくなり、樹上から降りて、遠くの獲物をより早く見つけるため、また体温調節をする必要があるために体毛を失ったとされる学説に対して、「アクア説」では、
浅瀬を移動するにはバランスの取りやすい二足歩行が適しており、また水に浸かった生活に対応するために体毛を失い、その代わりに皮下脂肪を得るようになった、とする。
その他、「女性の頭髪が長いのは、体が水に浸かっている時に子供を頭髪に掴まらせるため」とか、「上唇の上の溝(人中)は、上唇を鼻孔にぴったり密着させて水が侵入するのを防いだ名残」など、なるほどと思える説を展開している。
しかし、「アクア説」の決定的な弱点は、その根拠の裏付けとなるような化石がいまだに発見されていないこと。
ネス湖の怪獣が科学者から相手にされなかったのと同様、この説は専門家からほとんど無視されている。
でも、ヒトをヒトたらしめている多くの特徴、二足歩行、薄い体毛、厚い皮下脂肪、言語能力などがどうしてヒトだけに備わったのか。
そうした根源的な問いに、いまだ納得できる答えは見出されていない。
今後、ヒューマノイドロボットを研究することでヒトの進化の過程が少しでも解明できたなら、本当にすばらしいことだと思いませんか。