2005年の愛・地球博に向けて実施された「次世代ロボット実用化プロジェクト」。
それを契機に、これまでさまざまなサービスロボット(産業用ロボット以外の実用ロボット)が発表され、実証実験が行われてきた。
その数は300を越える。
しかし、実際に商品化され、販売にまで至ったサービスロボット(エンターテインメントは除く)は、1割もない。
そんな厳しい状況の中、さまざまな苦労を乗り越えて販売にまで結びつけたロボット開発メーカーと、
経営陣や上司を説得してサービスロボットの導入に踏み切ったユーザー担当者にヒヤリングを行い、
主要8分野の市場動向、普及状況、重要技術動向などを分析した
「企業向けサービスロボットの導入ユーザーの評価と今後の市場」を発刊した。
業務用サービスロボットをビジネスにするにはどうすればよいのか、
そのヒントを開発メーカーと導入ユーザー担当者の印象に残った言葉から紹介する。
メーカー担当者の言葉(1)
・肝心なのはロボットが活躍できるフィールドがあるかどうか。
・ロボットは人より作業品質が上でなければといけない。そしてコストが下がらなければならない。(メーカーA社)
・ロボットだけでなにかやろうとか、サービスを提供するというのは現実的ではない。いかにスタッフと協働してサービスの質を高られるか、スタッフを支援する立場としてのロボットを導入することでサービスの幅が広がっていければよいと思う。
・作業をしている人の手伝いをすることによって、本来の業務に集中してもらえるサービスロボットを目指している。(メーカーB社)
・“技術の魔法“だけではメーカーもユーザーもビジネスになっていかない。
・今後はサービスを行うユーザー企業、建設、デベロッパー、自治体、ヘルスケアなどと一緒にコラボレーションできるか模索していきたい。(メーカーC社)
・建築、土木現場で必要とされるロボットは、人の入れない、危険な場所での単純作業。人のほうが細かな作業はできるので、ロボットは人ができないことをやる必要がある。(メーカーD社)
(つづく)
NHK特集で、スペースシャトルの宇宙の目覚め「ウェイクアップコール」を取り上げていた。
ジョン・レノンの「イマジン」や、ルイ・アームストロングの「イッツ・ア・ワンダフル・ワールド」、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」など、普段聞きなれている多くの曲が、スペースシャトルや青い地球をバックに流れると、格別な印象を与える。
無限に拡がっていく「宇宙」に流れる「音楽」は、水を得た魚のように、生き生きと感じられる。
それにひきかえ「ロボット」と「音楽」はどうだろう。
「ロボット」から連想する「音楽」は、せいぜいアトムのテーマやYMOのくらい。
「ロボット」を代表する曲は、ない。
やはりカクカクと動くリズム感のなさ、躍動感のなさが、致命的なのだろう。
揮発油(ガソリン)税の暫定税率について、復活継続か廃止かで論議が続いている。
ルノーと日産は、自動車のCO2排出量と排出ガスの大幅な削減を進めるイスラエル企業と共に、電気自動車の量産化を発表した。
これは、廃棄物0(ゼロ・エミッション)社会実現を目指し、交通インフラを再生可能エネルギーへ移行するというイスラエル政府の政策に沿ったもの。
イスラエルでは2011年の利用を目指し、
・電気自動車の購入者に対し税制上の優遇措置
・全国に50万基の充電スタンドの設置
を進めていくようだ。
これにより走行距離を気にすることなく、電気自動車を利用できるようになる。
また利用料金についても新しい提案をしている。
利用者はキロあたりの走行距離をベースにバッテリーの使用量に応じた利用契約を行う。
現在の携帯電話の月極料金プランのような感じだ。
将来、「クルマ本体0円、距離別利用料金、家族割り」などというサービスも出てくるかもしれない。
ガソリン税の暫定税率25円の使い道の論議に、
このイスラエルのようなダイナミックな思考が、何故出てこないのだろう。
2007年の新車販売台数(軽自動車除く)※1は、前年比7.6%減少の343万3829台で、4年連続で前年割れ。また軽自動車の販売台数※2も、前年比5.1%減少の191万9816台で、4年ぶりの減少。
これには人口の減少や若者の車離れ、ガソリン価格の高騰などいろいろ要因があると思うが、車を「移動する家電」くらいに捉える人が着実に増えてきていることも大きいのだろう。
実際、家庭用電源から充電して走る家電のような「プラグインハイブリッド車」の実用化ももうすぐ。
今後もエネルギーの効率化、環境対策、ITSやインテリジェント(ロボット)化が、クルマの目指すべき方向であることは間違いないが、極論すればそれらは成熟した都市生活者を想定したもの。
インドのタタ・モーターズの「NANO」の登場は、
クルマなんて、安くて安全で、低燃費で、丈夫で長持ちさえすればそれでいいと考える、日本の「クルマ家電化」ユーザー層にも大きな影響を与えるかもしれない。
※1日本自動車販売協会連合会発表
※2全国自動車協会連合会発表
ASIMOのダイナー編のCM。
カジュアルなレストランでASIMOがコーヒーを運んだり、片付けたり。その様子をお客さんが暖かく見守り、子供たちがASIMOの後を嬉々として付いていく。
そしてバックステージで自ら充電するASIMO。
わかず15秒の画面からは、ほのぼのとした暖かなぬくもりが漂い、まもなくこんな世界が訪れるという期待感を高める。
これまでのASIMOは、ケーブルカーに乗り遅れてしまったり、子供たちと無邪気に走り回ったりしていたが、今回はちゃんと「仕事」をしている。
軽快なGREEN GREENの曲に乗せて、実用化のための技術をレストランでの接客サービスという非常にわかりやすいカタチで表現している。
実社会で人と共存し、役立つロボットの実現。
そのためにはロボットの知能化、複数台による協調、自律移動など連続してサービスできることが必要になる。
今回のダイナー編は、これからのヒトと機械と社会との関係=ロボティック・ライフスタイルを具体的にイメージできる作品になっている。