今年上半期のロボット・トピックスを挙げてみた。
○国産ジェット機の事業化
三菱重工が次世代リージョナルジェット機の事業化を発表。
当初の目論見とは異なり、全日空1社だけの受注とはいえ、いよいよ国産ジェット機の量産化に向け、出発。
また、HONDA JETが欧州でも受注を開始。
○画像センシング技術の商品化
デジタルカメラ(大人と子供を自動判別 <ソニー>、タッチ動体追尾<松下電器>)や、デジタルビデオカメラ(おまかせ顔認識<松下電器>、スマイルシャッター<ソニー>)
など、顔認識技術を使った商品が今年も次々に登場。
また画像センシングによる新たな開発(登場人物の顔を検出・表示、人をもれなく追跡<富士通研究所>、ユニバーサルウォークでの実証実験>)も。
○クルマのインテリジェント化加速
クルマのインテリジェント化 (目の開閉状態を検知<トヨタ>、後方接近車両検知<マツダ>、居眠り検知<トヨタ>がどんどん進む。
またナビを使った各種支援・サービスも加速(ナビ連動ブレーキアシスト<トヨタ>、犯罪の情報をナビに<ホンダ>)。
特に松下電器はネットワークを使い家電を遠隔操作できるカーナビ「Fクラス」を発売。
○パワーアシスト機器の動き
ロボットスーツ「HAL」を今秋発売することを発表しているサイバーダインが「つくば研究開発センターを着工」。
またホンダが歩行アシスト機器を展示会に出品し、
東京農工大もウェラブルロボットの開発を発表した。
○その他
産総研は、使われるほど進化する音声情報検索システムと、次世代ロボット開発にとって重要な共通基盤技術のソフトを発表。
またロボットベンチャー4社が次世代ロボットの市場創出を目的とした連盟を旗揚げした。
環境意識の高まり、健康志向、石油高騰を受け、さまざまなタイプの電動自転車の発売が続く。
インターネットのドメイン名を管理する国際調整機関 ICANNは、法人や個人がウェブサイトのアドレスに使用するドメイン名のルール緩和を決めた。
これまでの「.com (ドットコム)」や「.jp (ドットジェイピー)」などに加え、「.love (ドットラブ)」などの使用も可能とのこと。
きっと、恋人同士などで例えば、A-to-merry@forever.love なんていうアドレスも登場するかもしれない。
ルールの緩和がどの程度なのか、詳細はわからないが、
.loveがあるなら、.spiritや.friend、.womanなどもOK かもしれないし、申請すれば、.robo(ドット・ロボ)も実現するかもしれないが、申請料は10万ドル(約1070万円)以上とのこと。
申請料の元をとるには、.roboでは当分難しいか。
6月、ロボットベンチャーに新たな動きがあった。
ひとつは福岡、大阪、名古屋、東京のロボットベンチャー4社が提携して、次世代ロボットの市場を創造していこうとする「連盟」の決起集会。
もうひとつは動く情報提供メディアとして独自の「ロボット放送」を展開するという発表会。
上記2つは目指す方向性は違うものの、自分たちの手で「ロボットの新たな市場を創る」という意気込みでは一致している。
しかし、その「市場」がどのように「創造」されていくのかについて、いまひとつ具体的な姿が見えないことも事実。
それはロボットベンチャーだけでなく、ロボット業界全体の課題でもあるだろう。
キラーコンテンツや新技術が登場して、いきなり市場が拡大するということも100%ないとはいえないが、今のところその兆候も特効薬もありそうもないので、
背に腹は変えられないけれど、「市場は必ず創造される」と信じて、
当面は自分の懐具合と体力に応じてやっていくしかなさそうだ。
TV通販番組で乗馬型機器「ロデオボーイII」を実際よりも著しく体重を減らす効果があるように紹介したとして、公正取引委員会はテレビ朝日に対して景品表示法違反に当たる恐れがあると警告した。
機械の不具合でメーカーが機械を回収するというのはありがちだが、機械の「効用」について「優良誤認」があったとして、機械を紹介した「メディア」が警告されるのは珍しい。
公取委は「大きな影響力のあるメディアであり、厳しい対応を求めた」としている。
新しい機械であるロボットは、消費者にその効用をわかりやすく説明する必要がある。
そのため、説明時間もじっくり取れ、インフォマーシャル(記事+広告)型なTV通販は、ロボット販売にもっとも適した媒体だ。
また、TV通販には家電や美容製品を短時間で何億円も売りまくるカリスマ通販員がおり、ツボにはまれば短期間で大きな売り上げが期待できる。
実際、「ロデオボーイII」のような乗馬型機器や掃除ロボットなどは頻繁に紹介され、売り上げも伸ばしている。
TV通販はもっとも効果的なロボットのプロモーションチャネルとして、今後も活用されていくだろう。
ただし、過大で不当な「効用」表現がロボット普及の障害になり得る可能性のあることを、今回の公取委の警告は示している。
ロボカーサ・ドットコム内で取り上げるほどではないけど、ちょっとだけ気になる付加価値商品を紹介する。
◎アンジェリーノアシスタ (ブリヂストンサイクル)
環境問題、健康志向、ガソリン価格の高騰などを追い風にさまざまなタイプの製品が販売されている電動自転車だが、これは幼児を自転車に乗せた場合の安全を重視したタイプ。
ヘッドガードを大型化し、クッション性を高めたことで転倒時の頭部への衝撃を和らげるほか、通常20度の背もたれ角度が、リクライニングで30度になり、幼児が前のめりにならない工夫も施されている。
1年間の傷害保険と3年間の盗難補償制度に無料で加入できる。
価格は120,800円。充電器7,350円。
◎MARiPOSA E.A.MINI (ブリヂストンサイクル)
こちらは20代・30代の都市生活者向けの小径カジュアルスポーツ電動自転車。
うたい文句の「斬新かつシンプルで個性あふれるスタイリング」ということにつきる。
機能的には上記のアンジェリーノアシスタと変わらない。
価格は104,800円。充電器7,350円。
◎エアーストレッチマットレス (フランスベッド)
背中・腰・脚の7箇所に内蔵されたエアーバッグがプログラムに合わせて膨張と収縮を繰り返し、身体をやさしくストレッチ。睡眠前のリラックス感を高め、心地よい眠りへいざなうという。
15分コースと30分コースの2コースから選べるほか、脚や腰などの部位別にもストレッチが可能。プログラム終了後は、通常のマットレスとしてそのまま眠りに就ける。
また、マットレス除湿や、背中や足元を温めるヒーター機能も搭載。
価格は198,000円。
足元を心地よく温め、程好い温度を保つ「ゆたんぽマットレス(ヒーター付き)」(95,000円)もある。