3月に発表されたロボット産業政策研究会の報告書。
近い将来の市場化に向け早急に検討すべき「有望4タイプ」※の安全基準やルール策定の必要性を謳うと共に、今年度16億円の予算でスタートする「生活支援ロボット実用化プロジェクト」や、国際標準化の主導、産業人材の育成の重要性などが取り上げられている。
ロボットの「モノづくり」だけでは市場が立ち上がらないことが、やっと共通認識されたのか、報告書では、介護福祉分野での厚生労働省との連携や、移動支援ロボットにおける国土交通省への協力依頼、またユーザーニーズに対応した付加価値の提供を強調している。
とはいえ、5年後、10年後にロボットやRT(いつの間にかロボテク)を用いて、具体的にどのような新しいサービスやシステム技術が生まれるのか、今ひとつはっきりしない。
そのため、報告書で否定しているにも関わらず、はじめに「モノづくりありき」の印象は否めない。
その「モノづくり」を進める上で注目したいのは、複数存在する関係省庁の窓口を一本化する、ワンストップ窓口の提案。
現状では、ロボットを開発しても、関連法令への適否の判断をどこの窓口にすればいいのかわからない場合が多く、これまでもワンストップサービス的仕組みの必要性が言われてきた。
生活支援ロボットに多数関係する省庁といえば、厚生労働省と国土交通省。
「モノづくりとしてのロボット」の片思いは、当分続く。
※移動作業型(操縦中心)、移動作業型(自律中心)、人間装着(密着)型、搭乗型
2009年3月のロボティック ライフスタイルニュースをまとめて。。。
<ロボティック・カーサ>
・秒間10枚の高速連写とパノラマ撮影機能搭載のデジタルスチルカメラを発売 (ソニー)
・「EX-FC100」 (カシオ計算機)
→ 商品紹介
<ロボティック・カー>
・インサイトのユーザーの最高燃費ランキングを公開 (ホンダ)
・新型プリウスエコドライブサポート機能を搭載 (トヨタ)
<ロボティック システム>
・顔の画像から人の年齢・性別を推定する広告効果測定ミドルウェアを販売 (OKI)
・「転倒転落予防ソリューション」 (パラマウントベッド、ケアコム)
→ 商品紹介
・月6万円台の企業向け受付ロボットを開発 (綜合警備保障)
<ロボティック ミッション>
・考えるだけでロボットを制御するBMI技術を開発 (ホンダとATRと島津製作所)
・超小型の管路調査用水中ロボットを開発 (三井造船)
・人間に近い外観と動作性能を備えた人間型ロボットを開発 (産総研)
ロボカーサ・ドットコム内で取り上げるほどではないけど、ちょっとだけ気になる付加価値商品を紹介する。
○緊急地震速報(予報)お知らせ機能付きTESリモコン (東京ガス)
男女の仲、職場関係をはじめ、世の中、「知らなければよかった」ということは結構多い。
以前、大阪府警が事件の発生や犯罪対策情報を携帯電話にメールで配信するサービスをはじめたところ、あまりの犯罪の多さに怖くなり、登録変更手続きが殺到した※ということがあった。
このTESリモコンは、気象庁から提供される緊急地震速報(予報)を浴室および台所で知らせるというもの。
緊急地震速報を受信すると、リモコンに「緊急地震速報」の文字とLEDランプが点滅し、内蔵スピーカーから最大音量で「緊急地震速報」アナウンスとアラーム音「ピー」が、約1分間流れる。
温水システム(TES)のひとつのサービスとしての付加価値はあると思うのだが、のんびりとお風呂に浸かってところに、いきなり大音量の「緊急地震速報」のアナウンスとアラームが鳴り響いたら、相当ビックリ動転してしまうのではないか。
慌てて、転倒などしなければいいと思う
ロボカーサ・ドットコム内で取り上げるほどではないけど、ちょっとだけ気になる付加価値商品をご紹介する。
GPS−CS3K (ソニー)
旅行やサイクリングなどで移動した位置情報を時刻とともに内蔵メモリーに自動記録する携帯型のGPSユニットキット。
パソコンと付属ソフトを使えば、旅行などで撮影した画像と軌跡をGoogle Earth上に表示できるので、家族や友人と旅の想い出の共有も。
価格18,900円
「サラリ」シリーズ (三菱電機)
「夜干しモード」を搭載した、衣類乾燥除湿機。
温風による乾燥時間を長くした「ふんわり厚手モード」や、浴室のカビの繁殖を抑える「浴室カビガード」も搭載。
オープン価格。
BHP−V731S (東芝ホームアプライアンス)
赤外線センサーが鍋底の温度を検知することで、10度単位(140℃〜270℃の範囲)で調理中の温度を設定できるIHクッキングヒーター。
揚げものや、フライパンでの調理の温度設定はもちろん、予熱開始時から鍋底の温度を把握できるので、予熱時間も短縮できるという。
価格325,500円〜351,750円
DMC−FX550 (パナソニック)
登録した大切な人の顔に自動でピントと露出を合わせる「個人認識」機能を搭載、タッチパネル液晶操作のコンパクトデジタルカメラ。
オープン価格。
ロボカーサ・ドットコム内で取り上げるほどではないけど、ちょっとだけ気になる付加価値商品・サービスを紹介する。
アンプリ (バリューコミットメント、インテリジェンス)
正社員やアルバイトなど、求人への応募には写真付の履歴書の提出が求められる。
証明写真は近くの自動証明写真機で撮る場合が多いと思うが、希望の表情で撮影できないこともあり、また値段も高い。
この「アンプリ」は、履歴書用 証明写真サービス。
自分のケータイカメラで撮影した顔写真を指定のアドレスに添付してメールを送信。受信後に送られてくる確認メールに記載されている8桁のプリント予約番号を最寄りのセブン‐イレブンのマルチコピー機でプリントできる。
価格は、3枚200円。
ケータイカメラなので、何度でも撮り直しができるし、納得のいく表情の証明写真を得ることができる。
わざわざ証明写真を撮りに行くのは結構面倒くさいものだし、いざ自動証明写真機を見つけようと思うと案外苦労したりする。
また、取り直しのできる機種もあるとはいえ、短時間で納得した表情を撮るのは中々難しいものだ。
なにより、自動証明写真機で撮っている姿を他人に見られたくない。
この「アンプリ」は、簡単、便利、低価格、そして「就職活動」をしている姿を他人に見られたくないというユーザーの潜在的ニーズにマッチしたネット時代にふさわしいサービスだと思う。