8月に発生した駿河湾を震源とした地震。
気象庁は最初の地震波をキャッチしてから3.8秒後に緊急地震速報を「高度利用者向け」と「一般向け」に発表した※。
この「緊急地震速報システム」は、2007年2月に「高度利用者向け」が、また2007年10月から「一般向け」の運用を開始。
「一般向け」の運用が始まってからまだ2年ということもあり、対象地域に主要動が間に合わなかったり、予測震度が最後までブレてしまったり、誤報があったりとこれまでも課題が指摘されてきた。
今回も地震発生時刻が早朝ということもあり、テレビやラジオをつけていた人がどれくらいいたのか、情報伝達の手段に課題を残したものの、この「緊急地震速報システム」のすばらしいところは、ものづくりには長けていても、とかく、システムやフォーマット、コンセプトメーキングに弱い日本にあって、それがまさに「システム」として運用されていること。
モノは簡単にマネされるが、システム技術や運用は高度のノウハウが必要なため、一朝一夕でできあがるものではなく、短時間にマネされる可能性が低い。
ロボットも、ものづくりとしてだけではなく、システムとしてどのように活用していくのかという視点がやはり重要だ。
※今回の緊急地震速報は地震波検知から約1分間に10回発表された。その内、一般向けは最初の1回のみ。
2009年7月のロボティック ライフスタイルニュースをまとめて。。。
<ロボティック・カーサ>
・長距離走行が可能なクロスバイク電動アシスト自転車を発売 (ブリヂストンサイクル)
<ロボティック・カー>
・カーナビ情報でカーブ走行時にドライバーの運転をサポートする新システムを開発 (日産自動車)
<ロボティック システム>
・人流管理システムを活用した省エネ実証実験を開始 (オリックス)
・生活実態に自動応答する省エネシステム(BeHomeS)を開発 (産総研など)
・小型・低消費電力の次世代ロボット向け画像処理モジュールを販売 (富士通研究所など)
・安全運転支援とエコ運転支援を両立したカーナビゲーションシステムを開発 (日産自動車)
・緊急地震速報/通報・避難支援ソリューション「震ナビゲーション」を提供 (日立ソフト)
・次世代セル生産を実現するロボット知能化技術を開発 (三菱電機と京都大学)
・中規模病院向け省スペース型「注射薬払出ロボットシステム」を開発 (パナソニック四国)
6月に発表された宇宙基本計画の中で、「二足歩行ロボットや高度なロボットによる無人探査を行い、その後、人とロボットの連携による本格的な探査への発展を目指す」という目標が盛り込まれた。
この提案を行ったのは、宇宙飛行士の毛利衛氏。
毛利氏は提案した理由として、有人・無人を合わせた日本独自の宇宙開発の推進やミッション(月面探査)を明確にすることで、ロボットの開発を進展させるなどを挙げているが、おもしろいと思ったのは、毛利氏が二足歩行ロボットにこだわる理由。
それは、
「二足歩行ロボットは日本の文化」だから。
多額の予算を使う宇宙開発は、多くの国民の支持がなければ成り立たない。多くの国民から支持されることとはなにか。
それは、日本人自らの手で築き上げてきた「文化」に根ざしていること。
ロボットの場合、それは「二足歩行ロボットである」と。
お台場の実物大「ガンダム」の人気を見れば、確かにそうなのかなとも思う。
国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」が、19日に完成しました。
本来なら1994年に完成するはずだったISSは、主に米国の事情で遅れに遅れ、2年後の2011年にやっと全体が完成することになっています。5兆円が費やされる巨大プロジェクトですが、米国政府は2016年第一四半期にもISSを大気圏に再突入させて廃棄することを決めています。日本実験棟「きぼう」の運用には、年間400億円が必要といわれ、今後5年間で2000億円以上の税金が使われる計算です。
なんだかなぁの「ふたつのスピカ」の主人公たちが宇宙で活躍するためには、本人たちの夢やガンバリの前に、宇宙での「有人活動」が税金のムダ使いではないことをきちんと国民に説明する必要があるでしょう。
今年上半期のロボット・トピックスを挙げる。
家も、車も、街も、みんなまとめて「見える化」。
○省エネと、住宅、家電も見える化
「車と住まいの融合」等を目指した賃貸住宅(トヨタホーム)、生活エネルギーを「見える化」するシステム (旭化成ホームズ)、次世代型超省エネ住宅のモデルハウス(三菱重工グループ)、省エネ効果を画面で確認できる液晶テレビ (三菱電機) 、太陽光発電搭載・電気自動車対応住宅 (トステム住宅研究所)、消費電力を削減する人感センサー搭載カラー液晶モニター (ナナオ)
○エコドライブ、クルマも見える化
ドライバーの低燃費運転を支援する「エコアシスト」を搭載した新型ハイブリッドカー (ホンダ)、オンライン通信機能を搭載したエコドライブ支援装置(ミヤマ)、ユーザーの最高燃費ランキングの公開 (ホンダ)、エコドライブサポート機能(トヨタ)、エコ運転技術向上を競う「エコグランプリ」 (ホンダ)、ドライブを楽しくサポートするナビゲーター (トヨタ)
○自動検知とデジタルサイネージ、みんな見える化
デジタルビデオ自動検知システム (アイティフォー)、人物の動きの分析が可能な工場見える化システム(パナソニック)、顔認識技術を用いたデジタルサイネージの実証実験 (NEC)、画像の新たな分析手法を用いた「高精度人物検出技術」(東芝)、フォークリフト作業支援の「後方作業者検知システム」(トヨタ自動織機)、侵入者の動体を検知し自動追尾するユニット (NECシステムテクノロジー)、旅行などの軌跡を自動記録する携帯型のGPSユニットキット(ソニー)、顔の画像から人の年齢・性別を推定する広告効果測定ミドルウェア(OKI)
○健康志向
特定保健指導システム支援(任天堂)、音楽との一体感が得られるランニング/ウォーキング用音楽プレーヤー(ヤマハ)
○ケータイ活用
携帯電話を使って手軽に健康管理 (NTTアイティ)、歩行者の安全を支援する携帯電話用車々間通信アタッチメント(OKI)
○新基準対応電動アシスト自転車
新基準対応の電動アシスト自転車 の発売 (ヤマハ発動機、スズキ、ブリヂストンサイクル)、幼児2人同乗対応の電動アシスト自転車 (ブリヂストンサイクル)
○まだまだ進化 デシタルカメラ
タッチパネルと「個人認識」機能搭載(パナソニック)、最適シーンを自動判別 (オリンパスイメージング)、秒間10枚の高速連写とパノラマ撮影機能(ソニー)
○ASV関連
車車間通信を利用したASV公道総合実験(国交省)、自動運転・隊列走行の研究開発(NEDO)、交通事故防止・道路情報提供システムなどの研究で連携 (NEXCO西日本と日産自動車)、出合い頭の衝突事故を軽減する「プリクラッシュセーフティシステム」を強化 (トヨタ)、車両ナンバー認識システム (パナソニック)、低速追突を未然に回避する安全技術 (ボルボ)
○いわゆるロボット
「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」の継続事業(NEDO)、園芸ロボット実用化推進事業の公募 (ロボット工業会)、「生活支援ロボット実用化プロジェクト」の委託先 (NEDO)、考えるだけでロボットを制御するBMI技術 (ホンダとATRと島津製作所)、脳波で電動車いすをリアルタイムで制御するシステム (理化学研究所とトヨタなど)、人間に近い外観と動作性能を備えた人間型ロボットを開発 (産総研)、ビルのインフラとロボットを組み合わせた次世代技術(安川電機と清水建設)、携帯電話で遠隔操作やネットランチャーを搭載した警備ロボット(テムザック)、月6万円台の企業向け受付ロボット (綜合警備保障)、超小型の管路調査用水中ロボット(三井造船)、秋葉原にロボット直営店 (ヴイストン)、小型カメラ・センサ搭載の小型無人飛行機による災害監視システム (NEC)、マネキン型ロボットのレンタル事業 (フラワー・ロボティクス)
○その他
「はやぶさ」のエンジン再起動 (JAXA)、人の手や指の動きやジェスチャーを認識し機器を操作させるソフト(日本システムウエア)、文章から気持ちを推定し音声合成や文字装飾できる技術 (NEC)、「睡眠と覚醒のリズム」を測定し記録・分析・表示する睡眠測定システム (パラマウントベッド)