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現在、日本をはじめ世界各国で科学技術やイノベーションをめぐる政策がはじまっており、研究開発への投資が拡大している。
日本も今後5年間で総額25兆円を費やす計画だ。
そこで肝心の「イノベーション」の定義だが、
ラテン語のinnovare(新たにする)が語源。
単なる「技術革新」という狭義の概念ではなく、
社会のシステムや制度を含めて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと。
昨年、安倍前内閣が進める「イノベーション25」の意味合いについて、安倍内閣特別顧問だった黒川清氏が産官学連携サミットで明確に答えている。
『20年先の細かな科学技術を予測することにはあまり意味がない。
「イノベーション25」とは、技術革新のことだけでなく、イノベーションを行う人材、システム、風土を作ること。
つまりイノベーション創出のカルチャーを作っていくことが大事である』と。
つまり、技術だけが新しくなるのではなく、人のこころの内も変わらなければならないわけで、
イノベーションを興す文化を育む必要があるということ。
人のIn(内部を) + novare(変化させる)、難問だ。