昨年公表されたロボット政策研究会の報告書は、一昨年の中間報告で取りまとめられたことを踏まえて、市場環境、安全性、技術開発の3つを柱に構成されている。
特に「安全性確保」には、資料編での事例を含め、かなりのページを費やしている。
トヨタや松下電器など大手メーカーが表だってロボットの開発を発表しないのは、技術的なことプラス、なによりもこの「安全性確保」がまだなされていないことにある。
安全性の確保は、今後、法律も含め時間をかけて整備されていくことと思うが、報告書では、ロボットの安全性の検討にあたっては、
「ユーザーがサービスロボットを使うことにより、効用を感じるからこそ、その代償としてリスクを受け入れる」
ということを認識すべきとしている。
つまり、研究のためのロボットの安全性を検討するのではなく、ロボットが現実に使われること、つまり「効用」があることを前提に安全性も考えるべきであると。
それは、服用されない薬について、その安全性をいくら研究してもあまり意味がないのと同じかもしれない。