東京都が児童ポルノの規制のために議会に提出した「青少年健全育成条例改正案」について、表現規制につながるとして漫画家や出版関係者から抗議の声が挙がった。
その改正案によると、「18歳未満として表現されていると認識できるキャラクター」を「非実在青少年」と言うそうだが、この言葉を聞いてすぐに思い浮かべたのが、歌声合成ソフト(ボーカロイド)のバーチャルキャラクター「初音ミク」。
「初音ミク」については、昨年のSEATEC JAPANで歌を披露した「HRP-4C 未夢(ミーム)」にも音声ソフトとして搭載され、その完成度の高さに感心したが、アニメやゲームに詳しい知人から聞いて見た「ミクフェス」の映像には、大変衝撃を受けた。
「初音ミク」に詳しい方からはなにを今さらといわれるかもしれないが、生バンドをバックにCGのミクが透明なスクリーンで踊りまくり、その姿に2000人を超える観衆がケミカルライトとネギ型風船で熱狂する様は、3D映画「アバター」よりも、はるかに刺激的。
さまざまな人が「初音ミク」のために作ったオリジナル演奏曲は、どれも「初音ミク」のキャラクターを大切にしながらも、かなり過激な歌詞の曲もあったりして、カウンターカルチャー的な雑多な面白さがある。
「初音ミク」というバーチャルなアイドルをユーザー自らが作り、皆で共に育てているというある種の一体感は「初音ミク」の面白いところだと思うが、バーチャルな世界がリアルな世界と融合するライブステージは、今後の世界のエンターテインメントに大きな影響を与える可能性があると感じた。