デフレ、円高、雇用不安 ・・・ そんな世の中で、利益を全く出さなくてもいいという夢のような会社がある。
その名は、Willow Garage。
グーグルの検索エンジンを開発した技術者の一人がシリコンバレーに設立した企業だ。
そのWillow Garage社、先日開催された「2009国際ロボット展」でブースを出展していた。
ブースにいた説明員(本社から来日)による奇妙なほど自信溢れる説明によれば、
わが社はパーソナル・ロボットの研究・開発に貢献するため、基本ソフト「ROS」を開発している。
われわれの使命は、
社会にインパクトを与えることであり、利益は全く出なくてもいい。
なぜなら、
わが社は60人くらいの社員を無期限に維持できるだけの財産があり(現在の社員数は40名)、
しかも、
いずれの社員も世界選りすぐりの超優秀な人材である。
そんな我々が目指すロボット版Linuxである「ROS」は、無償で公開され、誰でも自由に利用や改変が可能なので、
近い将来、必ずロボットの標準OSとなる。
それゆえ、
次回(2年後)の国際ロボット展では、かなり大きなブースを展開していることだろう。
確かに、
Willow Garage社はすでにスタンフォード大学、ペンシルベニア大学、カーネギーメロン大学、BOSCH社などと深く関与しているほか、東京大学とも交流を進めており、またトヨタやホンダなどのロボット関連部署も関心を示しているようだ。
もちろん、
世界の優秀な人たちがさまざまな知恵を出すことで、便利で使い勝手のいいロボットOSができるのならすばらしいことだし、しかもそれが無料のオープンソースでというのも時代にかなったやり方だと思う。
また、Willow Garage社のような気宇壮大な企業が牽引役となってサービスロボットの市場が立ち上がればとも思う。
しかし、
それでも果たして彼らの思惑通りことが進むのかどうか。
おごれる人も久しからず。
今後の動向に注目するとしよう。