メインメニュー
ログイン
ユーザ名:

パスワード:


パスワード紛失

新規登録
視点 : ソクラテス、またの名を「あのくそいまいましい金屑のかたまり」
投稿者: admin 投稿日時: 2007-6-28 22:09:00 (1197 ヒット)

映画「2001年宇宙の旅」に登場する人口知能コンピュータ「HAL9000」。

アーサー・C・クラークの種本「失われた宇宙の旅2001」によると、当初、それは自律移動型二足歩行ヒューマノイドとして考えられ、「ソクラテス」という名前だった。

ちょっと長くなるが、ソクラテスの外形は以下のように描写されている。

「ソクラテスは平凡な筒形で、あちこちに見える検査ふたの下には、電子機器が隠れている。
両腕は、脚をもっと細かくデリケートにしたものだと思えばいい。
右の手首から先は単純な三本指となり、ぐるぐると回転する。
左手のほうは、万能工具で、いろいろ取り揃えた便利な器具の中には、コルク抜き兼缶切りも含まれる。

首から上は顔ではなく、種々のセンサーの集合から成るむき出しのフレームワークである。
一台のTVカメラで360度の視野が得られるが、これは四つの広角レンズがそれぞれ四つの方向を向いているからである。
人間と違い、ソクラテスには自由に動く首は必要ない。
彼はぐるりをいっぺんに観ることができるのだ」

この種本には映画の製作過程で失われたオリジナルの原稿が載っており、それにまつわるエピソードも含め面白いが、
ソクラテスがそのまま登場していたら、「2001年」はきっとありきたりの映画になっていたことだろう。

ヒューマノイドが宇宙船を操縦するというのは、ロボットが車を自分で運転するようなもの。

宇宙船がロボット化(HAL9000)しているからこそ、制作開始から40年たってもリアリティを感じさせるのだ。

作者もヒューマノイドでは、やはり無理があると感じていたようで、ソクラテスのことを
「あのくそいまいましい金屑のかたまり」と自虐的に描写している。

とはいえ、アーサー・C・クラークは、ロボットの進化について登場人物に次のように言わせるのを忘れていない。

「(ロボットは)いまだ原始段階にあるものの、彼らは学んでいく。
すでに人脳の及びもつかない複雑な問題を処理しているのだ。
さほど遠からぬうちに、彼らは自らの後継者をデザインし、ホモ・サピエンスには理解できないゴールへと手を伸ばすようになるだろう。
(中略) その日が来ても彼らがおのれの造り主たちと仲良くしてくれてたら・・・そう願わずにはいられない」

出典: 「失われた宇宙の旅2001」
    (アーサー・C・クラーク著、伊藤典夫訳 / 早川書房)

印刷用ページ このニュースを友達に送る
robocasa
NPO法人ロボティック普及促進センター

[ 書籍のご紹介 ]

『近距離移動用パーソナルモビリティの市場と将来性2011』

『高齢者・障害者の次世代自立支援機器と介護者・障害者のニーズ分析2010 』

『宇宙関連ビジネスの波及効果と有望分野 (PDF版) 』

『近距離移動用パーソナルモビリティの将来性 (PDF版)』

『2009年版 住宅・住設メーカーのRTの取組みとサービスロボット分野別市場規模』

『2008年版 企業向けサービスロボットの導入ユーザーの評価と今後の市場』

『2007年高齢者・障害者の次世代自立支援機器の市場性と介護施設のニーズ分析』

『2006, Update on the Partner Robot Market and Analysis of Key Technologies and Parts [Color Edition]』



新着イベントレポート
新着インタビュー