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視点 : “信頼性という概念でサボる” 宇宙に関わる人々の言葉 (3)
投稿者: admin 投稿日時: 2009-10-31 13:31:00 (1139 ヒット)

(つづき)
引き続き、日本の宇宙開発利用の現状と今後の動向についてまとめた、「宇宙関連ビジネスの波及効果と有望分野」の取材で印象に残った言葉を紹介する。


・運用の自律化・知能化や、設計支援などの支援システムの研究が必要。これらは、これまでみんな「人間」がやってきた。人間がやっている限り、コストがかかり、安くならない。宇宙ビジネスで何が高いかといえば、それは人件費である。
だから人間がどこで、どうサボれるかということが勝負。
ソフトがあれば最後の制作の段階でサボることができる。ひとつソフトがあればコピーを配ればよいだけ。そこで勝てる。衛星の場合はひとつできたから、2つ目をポッとできるかといえば、それはできない。同じ手間と時間がかかる。サボるところがない。サボるところがない商品は絶対にもうからない。(中略)

ではどうすればビジネスとして成り立つのか。

ひとつは信頼性という概念でサボるというやり方。これは試験をサボる。これとこれだけやっておけばいいだろうということで、サボる。
もうひとつは自律化・知能化することで、運用面でサボる。
そして無重力での実験を地上ではなく、軌道上の最初のフェーズで、地上で行う実験を行うこと。それには軌道上で何が起こってもどうとでも変えられるように自由度を大きくしておいて、軌道上でチューニングしていく。(中略)
予備とかも含めて、宇宙で変えられるような自由度をたくさん用意しておいて、宇宙でできる環境試験を全部宇宙でやってしまう衛星があってもいい。今は地上で試験をしすぎ。試験すればコストもかさむ。しかし、それには衛星のコンセプト自体を根本的に変えないと実現できない。
ビジネス化のために時間とコストをいかに下げるか、どこでサボるか、そこに根本的なアイデアがない限り、ビジネス化は難しいと思う。 (E大学研究室)
(つづく)

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