5月はじめ、日本初の「宇宙エレベーター」の公開実験が行われた。
「宇宙エレベーター」とは、地上と宇宙をエレベーターでつなぐ輸送機関のことで、「軌道エレベーター」ともいう。
アーサー・C・クラークのSF小説「楽園の泉」で広く知られるようになり、ロケットに変わる宇宙への輸送機として、実現が期待されている。
しかし、充分な強度をもつケーブル素材がないため、長らく夢物語とされてきた。
ところが1991年にNEC基礎研究所がカーボンナノチューブを発見すると、アメリカ航空宇宙局(NASA)も本格的な研究を開始し、宇宙エレベーター実現の可能性がにわかに現実味を帯びてきた。
宇宙ステーションに執心している日本(JAXA)では、いまのところまったく相手にされていないようだが、将来、実用化の芽が出てきたときには、大化けする可能性がある。
その理由として、
・カーボンナノチューブ
・ロボット技術
・リニアモーター
・システム制御
・精密機械
など、日本独自の技術が活かされること。
そしてなにより、大規模建造物としての土木・建設工事になること。
宇宙へのインフラ整備という21世紀前半の国家基幹事業になる日もくるかもしれない。
(つづき)