昨年開催された「感性ロボティクス・ワークショップ」。
そこでロボットにおける「擬似感性」について講演した富山先生は、ロボットは機械なので感性は持たないが、感性「のようなもの」はあると述べた。
例えばロボットが首をかしげたり、荒い言葉使いをした時に、ロボットが機械的にそれらを行っているにもかかわらず、それを見た人間はロボットがあたかも悲しんだり、怒っているように感じる。
それを「擬似感性」(Virtual KANSEI)と定義していた。
昨年、23年ぶりに「南極物語」が、ハリウッド版としてリメークされた。
「南極物語」で登場する犬たちも、実際は褒美をもらいたいがためにトレーナーの演技指導に従っているだけだが、観客は、感情豊かに行動する犬たちの、そのけなげな姿に感動し、涙する。
擬似感性は「人間らしさ」につながるロボットのふるまいを作り上げる核心部分といえるかもしれない。
そのあたり、ロボットは「人間らしくなる」必要があるのか、ロボットはロボットとして、あくまで「道具」であるとするのか、考えがわかれるところかもしれない。