スクータータイプの電動車いすによる事故は、約22年間※1で83件。
うち死亡が40件、重傷は9件あり、事故は、高齢者が単独で行動している際に起きていることが多く、ハンドルの操作ミスなのか製品不良によるものかなど、原因がわからないケースも多いという。※2
高齢になると生活の活動範囲がどうしても狭くなりがちで、スクータータイプの電動車いすは、気軽に乗れることから人気が出始めており、全国の福祉機器展や健康フェアなどでも、盛んにPRされている。
22年間で83件という事故数は、自動車の事故件数に比べれば非常に少ないが、その半数が死亡を含む重大事故というのはやはり国としては見過ごすことができないようで、経産省は、市販されている電動車いすの実車テストなどを行いながら、消費生活用製品安全法の「特定製品」※3とすることを検討している。
「食の安全」でクローズアップされている「消費者庁」設置の流れからも、今後パーソナル・モビリティが普及する上でなにより重要視されるのは、誤ったハンドル操作の自動修正や信号機など外部環境との連携、運転履歴データの蓄積など、安全面での機械によるアシスト機能の向上だろう。
参考記事 : 毎日新聞(2/27)
※1 1985年5月から2008年1月までに
※2 独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」
※3消費者の生命・身体の被害を防止、消費者の利益を保護するために、特定製品の製造および販売を規制する法律。