ドイツ西部のボームテという街の中心部で、交通の安全性を高めるために、昨年9月からすべての信号と標識を取り外す試みをはじめた。
これは、信号や標識がないほうが人々も慎重になり、危険を避けようとする心理が働くため、結果として事故が少なくなるという「共有空間」(Shared Space)という考えに基づいている。
ITS(高度道路交通システム)や、危険回避などのクルマのロボット化は、交通事故を減らし、安全な社会を実現するために有効だが、それはあくまで従来の道路インフラの高度利用とクルマの乗員保護が中心。
今後のパーソナルモビリティの進展や将来のロボットの社会参加を考えた場合、人と車を明確に区分けするというこれまでの道路インフラの延長ではなく、人とロボットが共存できる新たな発想のインフラ整備が必要になる。
ロボットにやさしい街づくりは、お年寄りや障害者にもやさしいユニバーサルデザインとなるはずなので、この「共有空間」という考え方は、ロボットと暮らす社会を実現するうえでのヒントになるかもしれない。
日本でもロボット特区で実施してみたらどうだろう。