昨年開催された東京モーターショーの国産車ブースでは、連日派手なショーステージが繰り返され、大勢の来場者を楽しませました。
対象的なのはフェラーリ、マセラッティなどの高級車メーカーのブース。
45cm高のステージ上に3台のフェラーリを置き、
一般来場者は遠巻きにそれらの車を眺めるだけだが、顧客やお得意様、特に見込み客は個別にステージ上に案内され、間近でフェラーリを見ることができる。
見込み客は神妙な面持ちでフェラーリのハンドルを握ったり、インテリアの感触や計器類を確かめたり、スタッフの説明も上の空といった様子。
フェラーリのドアが開き、インテリア内部が見られるようになると多くのカメラのフラッシュがたかれる。
見込み客からすれば、大勢の観客のあこがれの視線を全身に浴び、まるで映画俳優になったような心持だろうう。
自分ひとりだけが「私のフェラーリ」と対面できる。
注目を浴び、優越感に浸り、高揚して頭の中が真っ白になった見込み客は、ただただフェラーリが欲しい、自分だけのものにしたいと思うに違いない。
フェラーリ、マセラッティの日本総代理店であり、ロールス・ロイス、ベントレーの正規代理店のコーンズは、エンターテイメント性を強める東京モーターショーにあっても、高級車を売るための自分たちのスタイルを貫き、実利を挙げることを忘れていない。
いつか、富裕層向けロボットが発売される際には、見習うべき点が多い。