昨年、都営地下鉄大江戸線で停電が発生してトンネル内で電車が立往生したトラブルは、変電所での保守点検の後に送電スイッチを入れ忘れた人為的ミスが原因だった。
航空機による人為的ミス(ヒューマンエラー)も多発している。(※)
国土交通省は大惨事につながりかねない重大トラブルとして、管制官と機長の交信用語を簡素化し、混雑時間帯に管制官の支援要員を設けるなどの再発防止策を検討している。
またAP通信によると、
NASAが商用旅客機のパイロット2万4000名を対象に空の安全に関するアンケートを実施したところ、多くのパイロットがニアミスの体験があると回答。
これらの数値が余りにも多かったため、NASAは調査結果を公表した場合にアメリカの航空旅客輸送の信頼性を損なうと判断し、調査結果をこれまで伏せていたという。
ロボットが家庭に導入される際に暴発、暴動しないことが安全面での絶対条件になっているが、
実際は人為的なミスによる事故のほうが多いのではないかとも言われている。
テクノロジーの進展とヒューマンエラーの関係は、切りたくても切れない関係。
今後も対で考えていく必要がある。
(※)
2007年
6月 離陸直前のスカイマーク機の前を着陸後の全日空機が横断。(新千歳空港)
9月 日航機が管制官の許可なしに滑走路を横断。(伊丹空港)
10月 エア・カナダ機が、管制官の許可を得ずに滑走路に進入し、降下中だった日本航空機が、再上昇して着陸をやり直し。(関西空港)
10月 全日空機が管制官の許可を出した滑走路とは別の滑走路に着陸。(伊丹空港)
2008年
2月 日航機が管制官の離陸待機を許可と勘違いして滑走路に進入。滑走路上にいた別の航空機に近接。(新千歳空港)
これらの原因は、管制官の不注意又は管制官と機長との意思疎通が不十分だったことによる人為的ミスとされる。