(つづき)
「ロボット分野アカデミックマップ」は、ロボットに関係する学術分野3団体(日本ロボット学会、人工知能学会、日本人間工学会)が、人間系融合領域、情報系複合領域、工学系先端領域について記述している。
日本にどれだけの数の学会があるのかは知らないが、ひとつの学会だけでは解決できない学際的な研究が叫ばれている今、学会横断による具体的な異分野間の融合の試みとして、今回の「ロボット分野アカデミックマップ」は注目される。
ただし、人間系、情報系、工学系それぞれが自由なとりまとめをしたことから、3者間に統一性がなく、読んでいても内容がばらばらの印象を受ける。
ロボットの場合、技術革新の研究開発にどうしてもお金がかかるため、国の科学研究費やプロジェクト予算に引っ張られ、ともすれば「国の下請け」に甘んじる傾向があるが、
ロボット分野に文系アカデミアが入ることで、「人間がより幸せになるためのロボット」や、「人間や社会にとって本当に必要なロボット」など、ロボットをより大きな視点で、より深く考えるようになっていけばいいと思う。
(つづく)