昨年開催された「グローバル・イノベーション・エコシステム2007」。
シンポジウムで、講演者からある調査結果が紹介された。
それによると、夢を持っていると答えた子供の割合は、世界平均が65%であるのに対して、日本は35%。
日本の子供たちは、その日を楽しく暮らすことを上位に挙げており、これは子供たちの親世代に将来の夢がなく、その「いじけた」姿が影響している、と分析されていた。
「子供たちに見放された日本」がイノベーションを行っていくためには、
「未来の子供たちの財産・環境を奪わない」「若者たちに挑戦すべき課題(夢)を提示する」ことが大切であり、
その挑戦すべき課題とは、環境、エネルギー、南北問題、感染症対策などの「人類共通の課題」である、としている。
まったく同感だが、
イノベーションが創造的破壊と日本の社会システム自体の変革を伴うことから、その実効には長い時間を要することが予想され、
「本丸や主流から事を始めなければならない」わけだが、
講演者からは、ここ最近の「保守的思考の回帰」について懸念する言葉が繰り返し述べられていた。
大企業、公務員志望の安定指向、株主総会での防衛策の承認 ・・・
「安定」を求めることは必ずしも悪いことではないが、
少なくとも「出る杭を伸ばす」、そんな社会になるよう努力しなければならない、と思う。