視点 : 両輪で考える癖
トヨタがNECなどと共に自動車搭載用の標準ソフトウェアを独自開発した。
現在のクルマは大量の半導体やセンサーにより、2億回/秒の演算ができる電子制御の塊であり、今後は道路側からの情報で危険を察知し、事故を防ぐ高度技術の実用化が期待されている。
現在の製造物責任(PL)法ではソフトウェアは対象外だが、今後、外部に委託したソフトウェアの不具合によって人身事故が発生した場合、責任の所在が問われることになりかねない。
またソフトウェア開発はマイクロソフトやインテルが得意とするところであり、
庇を貸して母屋を取られてしまったパソコンの二の舞にもなりかねない。
「標準ソフトウェアの独自開発」は、将来のロボットの姿とも重なる。
モノ作りとして、また理数教育として、とかくハード面ばかり注目されるロボットだが、ソフトウェアとの両輪で考える癖をつけていく必要があるだろう。