ラブドールというのをご存知だろうか。
表面がシリコン樹脂でつくられた可憐な少女の人形で、オリエント工業から一体50万〜60万円ほどで販売されている。
メイド喫茶が現れ始めた3年ほど前から、秋葉原でこの人形を使ったデリバリーサービスがはじまり、今では全国に広がっている。料金システムは、人間の場合と変わらない。
可憐で美しい肢体とはいえ、人形を相手によくもそこまでと思うが、別の見方をすれば、喋ることも、動くこともない人形相手の商売が成立しているわけで、セックスロボットが誕生したら、相当なインパクトがあるだろうことは予想がつく。
というのも現在のラブドールの対象者が男性に限られているのに比べ、セックスロボットは男女、年齢、身体の障害の有無を問わないからだ。
ロボット普及の鍵はエロスにある、と思っている技術者はたくさんいると思うが、正面きって風俗で儲けることはやはり難しいので、別ブランドでOEM供給するメーカーが出てくるかもしれない。
生身の人間同士の恋愛は、どうしても感情がぶつかり合うことが多く、
いつもよい関係でいられるわけではない。
その点、自分の言うことをいつも聞いてくれるロボットとなら、気使いや気兼ねすることなく、癒しの時を過ごすことができるだろう。
今、韓国のイケメン俳優に熱を上げている女性たちも、エロティックなロボットが登場したら、きっと一気にやられてしまう気がする。
また精巧なセックスロボットの登場は、新たなジャパニーズカルチャーとして海外でも評判を呼び、セックスロボット目当ての観光客が大勢日本を訪れるだろう。
セックスロボットに溺れる者はまだいい。
問題は、セックスロボットを傷めることに快感をおぼえる輩への対応だろう。美しいロボットがズタズタに傷つけられることに心痛まぬ者はいないだろうから、その時にはロボットの「権利」がきっと大きくクローズアップされるに違いない。
「ロボット権」が成立するのは、案外早いかもしれない。